(台北 13日 中央社)日本の菅直人元首相は12日台湾を訪問、同日午後、台北市内のホテルで記者会見を開き、「世界中に完全に安全な原発はない」などとして脱原発の立場をあらためて表明した。
菅元首相の台湾訪問は、台湾の反原発団体「地震国告別核電・日台研究会」の招きで実現したもので、12日は記者会見のほか、カク龍斌台北市長との面会も行われた。(カク=赤におおざと)
菅氏は2年前の福島第1原発事故について「最悪の場合、避難者の数は原発から半径250キロ圏内にいる5000万人にのぼる」、「被害を一定の範囲内に抑えることができたのは適切な対応のおかげというより、むしろ神のご加護があったから」などと述べ、また、「原発を推進するかどうかは技術次第なのではなく国民が決めることだ」と強調した。
菅氏は15日までの滞在中、台北・新北両市の水がめ、翡翠ダムと台湾電力第1原発(いずれも新北市)の視察のほか、脱原発を訴える集会や講演会などにも参加する予定。14日夜の講演会(台北市・松山文創園区)では福島の原発事故についてふり返る。
(編集:羅友辰)