ニュースランキング

'13/9/13

岩国新港にクレーン増設へ




 山口県は本年度内に、岩国市の岩国港新港埠頭(ふとう)にコンテナ専用クレーン1基を増設する。既設の1基と合わせて2基体制にし、コンテナターミナル機能を強化する。岩国港では三つの埠頭を結ぶ道路整備も進んでおり、利便性を高めて需要を掘り起こす考えだ。

 増設するのは、既設の1基と同じ、タイヤで移動できるタイヤマウント式水平引き込みクレーン。全長20メートル、重量420トンで、荷重30・5トンまでに対応でき、1時間当たりコンテナ25個を積み降ろせる。4億7500万円を投じ、来年3月までに設置、4月から運用を予定している。

 1999年に設置された既設クレーンは老朽化し、故障で荷揚げが遅れるケースがあった。景気回復で国内物流が活発化することを見込み、県にクレーンの増設を求める地元企業の声も強かった。

 2基になれば積み降ろしが迅速化でき、効率的な港湾の運用が可能になる。時間制の港湾使用料の負担減にもつながる。

 新港埠頭の2011年のコンテナ取扱量は約5万1千個(20フィートコンテナ換算値)。リーマン・ショック以降の落ち込みが続くが、国内3航路(週6便)、中国や韓国、台湾を結ぶ海外5航路(週5便)のコンテナ船が利用している。

 2万トン弱の船舶が接岸する長さ370メートル、水深10メートルの2バースなどを備え、上屋2棟や冷凍コンテナヤード、洗浄場なども整備。県はクレーン増設でコンテナターミナル機能のさらなる向上ができると期待している。

 岩国港は重要港湾としてコンテナ船向けの新港埠頭のほか、ばら積み船向けの装束、室の木の両埠頭を持つ。総合的な港湾の物流機能を高めるため、国は20年度の全通を目標に3埠頭を結ぶ臨港道路(2・9キロ)の整備も進めている。

【写真説明】新港埠頭にある既設のタイヤマウント式水平引き込みクレーン




MenuTopBackNextLast