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政治
【単刀直言】稲田朋美行革担当相 内閣人事局で「闘う公務員」をつくる
国家公務員制度改革の先延ばしは許されません。霞が関の幹部公務員の人事を一元化する「内閣人事局」構想を実現させる法案を今秋の臨時国会に出します。なぜ一元化するのか。省益ではなく、国益のため「闘う公務員」を作る必要があるからです。
これまでは官房長官が主宰する「閣議人事検討会議」で局長級以上の約200人の幹部人事を決めていました。それをなくして、内閣人事局ができると、政策の企画立案に当たる審議官級以上の最低600人の公務員が対象になります。
ただ、誰をどのポストに就けるかの任命権は、今まで通り各省庁の閣僚に残ります。内閣人事局は閣僚から人事の提案を受け、人事評価資料に不備がないかを確認します。そして、首相と内閣官房長官が、その人材がポストにふさわしい能力、実績があるかを協議する仕組みにします。
内閣人事局では、幹部候補を養成する課程も新たに作り、採用試験の結果にかかわらず幹部に登用できるようにします。今の形骸化した研修を充実させ、研修を受けたことが将来のキャリアにつながるようにすれば、民間にも自力で行けるような公務員も増え、官民交流も拡大すると考えています。
安倍晋三首相からは「必要な機能を備えた内閣人事局を作るように」と指示がありました。そこで、公務員の給与をランク付けする「級別定数」を決める権限を人事院から内閣人事局に移管しようとしています。
でも、抵抗を受けています。米国の占領下にできた人事院が「独立不可侵」になっている。そんな「戦後レジーム(体制)」から脱却するための改革を進めなければなりません。
公務員に労働基本権が付与されていない代償として人事院にはさまざまな権限が与えられてはいても、必要以上に持つことはない。だからこそ、本来は内閣が担うべき人事の機能を返してもらおうとしているのですが、理解してもらえない。
ならば、今秋の臨時国会でけりをつけます。今回の改革で、率先して行政の無駄をなくした人が偉くなるようになれば、規制改革も進み、将来的に省庁再々編の起爆剤にもなると思います。
霞が関の人たちは、権力の源泉である人事を政治家に任せたら、ぐちゃぐちゃになると考えているんでしょう。でも、内閣が国としてやりたい政策で人の配置を決められないと、物事は進まない。そんな当然のことを内閣が当然にできるように人事権を取り戻す。たとえ法案が100点のできでなくても、まずは変えてみるべきです。
(聞き手村上智博)
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