シドニー五輪の公式スポンサーであるオーストラリアのアンセット航空は4日、同社のライバルで豪航空最大手のカンタス航空がスポンサーでないにもかかわらず「オリンピック」という言葉を使った便乗広告をしているとして、連邦裁判所に提訴した。アンセットは広告の差し止めを求めている。
カンタスは豪州の主要紙に「オリンピックセール」と題する割引航空券の販売キャンペーンの全面広告を掲載したほか、豪競泳のイアン・ソープや陸上のキャシー・フリーマンなどスター選手を起用したポスターをシドニー市内に多数張り出した。広告調査会社スウィニー・スポーツによると「国民の多くがカンタスをスポンサーとして勘違いしている」という。
スポンサー料として約5000万豪ドル(約30億5000万円、推定)を支払っているアンセットはカンタスに広告の内容変更を求めたが拒否されたという。「五輪が近づくにつれて便乗広告が一段と増える」(シドニー五輪組織委員会)と見られ、組織委は大学生のボランティアを使った取り締まり強化に乗り出す。(シドニー=大石信行)
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