2013.9.14 05:07(3/3ページ)

W世界新!マー君、開幕21連勝&シーズン25連勝

一回、投球前にプレートに手を置く楽天・田中=Kスタ宮城(撮影・土谷創造)

一回、投球前にプレートに手を置く楽天・田中=Kスタ宮城(撮影・土谷創造)【拡大】

 右腕はこのまま退団する可能性が高い。だから田中は、帰国前日(8日)に「優勝のときに戻ってこられるなら、戻ってきてほしい」と声をかけた。ともに苦しい時期を乗り越えてきた。一人でも多くの仲間と歓喜の瞬間を迎えたい。エースの本心だった。

 「チームスタッフの協力なしではここまでこられていない」と、21連勝の手柄も独り占めせず、コンディションを整えてくれている周囲への感謝を口にする。故障も離脱もなく、シーズンを戦い抜く。残るレギュラーシーズンの登板は、順調ならあと3試合だ。

 「記録を伸ばすためにはやっていない。日本一を目指している。まずはリーグ優勝です」

 優勝マジックは12となり、最短Vは21日。カウントダウンが間もなく始まる。いまや世界規格の絶対的エースとなった田中は、メジャーのスカウトの視線にも、真っすぐ前を見つめた。「すごいなあ、ホンマ。それしか言いようがない。もう聞くなよ。今季は負けずに終わるよ」。星野監督の言葉は、もう、ジョークには聞こえない。(広岡浩二)

データBOX

〔1〕楽天・田中が今季21勝目(0敗)を挙げ、2008年に岩隈久志がマークした球団のシーズン最多に並んだ。21勝以上は1980年以降5人目。
〔2〕単独シーズンの21連勝は、1957年に西鉄・稲尾和久がマークした20連勝を56年ぶりに上回るプロ野球新記録。ちなみに米大リーグの最多は19連勝(2人)。
〔3〕昨年からは25連勝で連続シーズンでの最多連勝のプロ野球記録を更新中。36-37年にカール・ハッベル(ジャイアンツ)が記録した米大リーグ最多の24連勝を上回った。
〔4〕6月9日の巨人戦からは登板14試合すべてで勝利。「連戦連勝」のプロ野球記録は、03年にダイエー・斉藤和巳がマークした15戦15勝(16連勝期間中)で、あと1。
〔5〕本拠地のKスタ宮城では今季10勝目で、同球場のシーズン最多タイ。過去2度とも田中で、09年に10勝3敗、11年に10勝2敗。

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