2006年11月03日
皇国の守護者1巻 伊藤悠
漫画オリジナルの導入シーンをもってきているのに伊藤先生の苦心がうかがえる。天狼会戦後の流れを詳しく描いているのも同様だ。
小説では新城直衛は序盤ではあえて顔を出さなかったのだが、露出過多になっている。なんとなれば佐藤大輔氏にとってのマケドニア軍のアンヴィル・アタック――フィルターなしで淹れたコーヒーのようにドロリと濃い心理・人物描写――が行えないのだから、なすび若菜大尉の視点を借りてでも新城の人物像を早急に掘り出さなければならない。
そう考えたのだろうが、取り付けられた部分はちょっとなっていない。むしろ漫画オリジナル部分で瞠目に値するのは流麗なセリフ回し。こちらは原作と違和感なくフィットしていてグッとくる。
人物像の方はけっきょく新城中尉の事績から自然に把握されていくことになるか。他にも長文挿入で説明されている部分を消化するため無理に会話させていたりといろいろ手間取ってる。
反対に漫画化された利点と思えるのは、新城たち皇国軍全体の冴えなさを上回って千早たち剣牙虎が格好よいことだ。しかも、それだけじゃない。「カワイイなー、あーカワイイ、このカワイさ、もはや兵器だよなー」なのだ!
あらためてみると1巻の戦闘はあまり苛烈ではなかった。局地的戦闘の内にわけもわからず決着した天狼会戦あるのみ。お楽しみはこれからだ。
皇国の守護者分が補給できそうな作品リスト
皇国の守護者2巻感想
皇国の守護者3巻感想
皇国の守護者4巻感想
皇国の守護者5巻感想
皇国の守護者 1 (1)
小説では新城直衛は序盤ではあえて顔を出さなかったのだが、露出過多になっている。なんとなれば佐藤大輔氏にとってのマケドニア軍のアンヴィル・アタック――フィルターなしで淹れたコーヒーのようにドロリと濃い心理・人物描写――が行えないのだから、
そう考えたのだろうが、取り付けられた部分はちょっとなっていない。むしろ漫画オリジナル部分で瞠目に値するのは流麗なセリフ回し。こちらは原作と違和感なくフィットしていてグッとくる。
人物像の方はけっきょく新城中尉の事績から自然に把握されていくことになるか。他にも長文挿入で説明されている部分を消化するため無理に会話させていたりといろいろ手間取ってる。
反対に漫画化された利点と思えるのは、新城たち皇国軍全体の冴えなさを上回って千早たち剣牙虎が格好よいことだ。しかも、それだけじゃない。「カワイイなー、あーカワイイ、このカワイさ、もはや兵器だよなー」なのだ!
あらためてみると1巻の戦闘はあまり苛烈ではなかった。局地的戦闘の内にわけもわからず決着した天狼会戦あるのみ。お楽しみはこれからだ。
皇国の守護者分が補給できそうな作品リスト
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皇国の守護者 1 (1)
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1. 皇国の守護者 (全5巻) / 佐藤大輔・作 伊藤悠・画 [ 日曜感想文 - ジャンル別1000件を超える感想 ] 2007年11月25日 12:44
同名の小説からの漫画化。強大な“帝国”が攻め入る中、絶望的状況に置かれた“皇国”の剣牙虎(サーベルタイガー)部隊の物語。本当は臆病なのにリーダーたる責任と態度をとり続ける剣牙虎部隊長 新城のキレ者っ...
この記事へのコメント
1. Posted by ぉゅ 2007年09月17日 11:01
5巻はいつ出るんだ・・・
2. Posted by こいん 2007年09月17日 15:00
気長に待ちましょう。原作の10巻よりは余程でそうなので私は期待してますよ…。
3. Posted by ヨッチ 2007年09月19日 23:16
漫画版打ち切りだそうです・・・
4. Posted by こいん 2007年09月20日 01:10
検索がいつもの十倍くらい来たので不審に思ってというかビビって調べましたが……まぁ、なんというか。
ちなみに佐藤大輔先生の文章には下記のようなものがあるんですよ。
「能力も、才能もある。おそらく、勇気すらもっているかもしれない。しかし、ひとつひとつの行動が他者に怒りをおぼえさせるほど無思慮な人間とは、どんな組織にもかならず一人はいるものなのだった。」
「限られた時間の中でよりよい物を造るのは、限られた人生を有意義に生きるのと同じだ。」
あはは、まったく、「このような男に同時代で出会えたとしたら、それは果たして幸福なのか不幸なのか」。
ちなみに佐藤大輔先生の文章には下記のようなものがあるんですよ。
「能力も、才能もある。おそらく、勇気すらもっているかもしれない。しかし、ひとつひとつの行動が他者に怒りをおぼえさせるほど無思慮な人間とは、どんな組織にもかならず一人はいるものなのだった。」
「限られた時間の中でよりよい物を造るのは、限られた人生を有意義に生きるのと同じだ。」
あはは、まったく、「このような男に同時代で出会えたとしたら、それは果たして幸福なのか不幸なのか」。