日記
21世紀のレコード再生
2013年09月12日
オーディオの楽しみ方は単に音楽を聴くだけでなく、スピーカーやアンプを自作したり、使う部品を変えて音色の変化を楽しむ人もいる。
そこまで出来ない人はオーディオアクセサリーを使って楽しむしかない。
ただそれだけではちょっと物足りないという人にレコード再生での楽しみ方がある。
スピーカーやアンプを自作するほどのスキルは要求しないがそれなりの使いこなす知識は必要だ。
ただし
残念ながらアナログは20年前に終わっている。
モノとしては残ってもそれに係るノウハウはかなり失われた。
ここで...
これからレコード再生を始めるにあたっての必要条件を挙げてみた。
まず設置場所
とにかくアナログプレーヤーは場所を取る。
ラックの一番上に置く必要があり、それも横からもトーンアームの状態が確認できることが必要だ。
これが出来ない環境ではいくら金を掛けてもCDを超えるような良い音の再生は絶対無理だ。
レコード再生は諦めたほうがよい。
ソフト
聴くジャンルがジャズか90年代までのロック、ポップスをよく聴く人。
残念ながら最近の新譜でCDとLP併売されている物でLP優位の再生をさせるのは難しい。
わざわざ高い新譜を買う必要は無い。
現在オリジナルを求めなければ過去の遺産は安価で沢山ある。
それこそ1枚100円でとんでもない高音質盤を手に入れられることだって可能だ(笑)
ただし中古である以上リスクはあるのでレコードクリーナーは必須アイテムになってくる。
実際に50~60年代のジャズを本気で聴くならアナログしかない。
どんなハイエンドでハイレゾを謳ってもレコードには敵わない。
レコード再生にとって優先する機器
まずはカートリッジとフォノイコライザー。
これがしっかりしていればプレーヤーに大金を掛ける必要はない。
アナログの楽しみはカートリッジ交換で音色の違いを楽しむ事にある。
トーンアームはユニバーサルが必須。
ストレートアームは解像度を上げるには有利だが、一個のカートリッジで全てを賄うのは無理なのだ
高額のカートリッジ一個持つより安価なカートリッジを複数持ちレコードによって使い分けるほうが絶対楽しめる。
特にモノラル専用のカートリッジは一個持っていたい。
安価なカートリッジといっても現代の入門用としてはaudio-technica AT33PTG/II あたりが欲しい。
自分がCDよりレコードのが音がいいと感じたのがGT-2000とAT-33Eでの組み合わせだった。
DL-103は入門用としては扱いが難しくサーフェイスノイズを拾いやすい。
今の時代アルミパイプのカンチレバーよりもっと細いカンチレバーのがノイズを拾いにくいと思う。
普通に使っていればカートリッジの寿命はあまり気にする必要はない。
今までの針交換は不注意によって針を折ったのが原因(-_-;
25年前に買ったAT-140Eもいまだ現役で使っている。
フォノイコはズバリ!TRV-EQ3SE/Ak premiumといいたいところだが(笑)
個人的にはヘッドアンプよりトランスで昇圧する音のが好きだ。
入門用としてのプレーヤーは現実にはDP-1300MKIIとPD-171位しかないが、どちらも使いやすいと思う。
駆動方式の違いをあまり気にする必要は無い。
海外製品でベルトドライブが多いのは技術的にダイレクトドライブのモーターを作れなかっただけだ。
GT-2000は購入して25年以上ノーメンテで現在も正確に回り続けている。これが日本の技術力なのだ。
BRINKMANN OASISが海外製ではじめてのダイレクトドライブのプレーヤーを作ったがその価格は...
一通り揃えたとしてもそれですぐに高音質の再生が出来るとは限らない。
残念ながら個人個人のレコードを扱うことの向き不向きというものがある。
機械を弄ることが好きで苦にならない人でないと難しいかもしれない。
アナログは曖昧で設定が適当でもとりあえず針を落とせば音は出る。
それが本当にいい音なのかを判断するには経験を積んで聴きこむしかない。
まあレコード再生だけでなくアンプ、スピーカーを含めてのトータルの音だしも同様だが。
CD登場後レコードの方が音が良いと言っても、アナログは終わったと殆どの人が見捨てた。
オーディオ評論家でさえレコードを処分してCDに移行した人もいた。
既にまともにレコード再生が出来ている人の数は少ない。
それでもレコード再生をする意味とは...
自分の感性を鍛えるもので買って終わりではなく始まることだ。
アナログは何をしても音が変わる。
メーカー品の音を受け入れて満足するのではなくその中から自分の好みの音を追及していく。
そこから新たな感動が得られるかどうかは使い手次第。
ただ基本的なことを忠実に実行し慣れればそんなに難しいものでもない。
それが面倒で楽しいと思えないならやらないほうがいい。
レス一覧
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ご無沙汰しております。
久しぶりにPhilewebを覗いてみたら、レコードについてお書きの方が続いていてちょっとビックリしました。
今回の記事を読んで、レコードを始めたころを思い出しました。
それまでまったく知らなかったものですから、言葉の意味を理解するだけなかなか大変で。
幸い、すぐ近くに教えてくれる人がいたので助かりましたが、そうじゃなければ、手を出すことすらしなかったんじゃないかな?と思います。
すでにプレーヤーを片付け、盤もあらかた処分してしまったのですが(笑)
bydaisi at2013-09-12 17:57
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daisiさん、こんばんは。
最近レコード再生での情報が色々と錯綜しているので自分なりの考えを書いてみました。
レコード再生は音楽を聴くための一つの手段であって絶対とは思っていません。
環境や巡り合わせがあればそれこそ電源無しのSP再生に嵌ったかもしれません(笑)
byVOTTA7 at2013-09-12 21:07
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こんばんは。
厳しい意見内容の日記ですが おっしゃられている通りなのかもしれませんね。
ちなみに
>実際に50~60年代のジャズを本気で聴くならアナログしかない。
どんなハイエンドでハイレゾを謳ってもレコードには敵わない。
そうなんですか?(笑)
byキタサン at2013-09-12 21:53
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キタサン、こんばんは。
ちょっと辛口な日記になってしまいましたね。反省。
アナログの良さは汚い音も出ることだと思っています(笑)
バリレラ VRIIで聴くサキコロのゴリゴリした図太いサックスは
デジタルでは出せない音だと思いますよ。
byVOTTA7 at2013-09-12 22:16
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まったくの同意見です。
と言うよりも、当たり前の話しなんですがね。
問題があるとしたら。
述べていること書かれていること、その内容よりも見た人読んだ人がどれだけ理解出来るか?!
いわば読解力、国語力があるか。
後は、どれだけの事、物事に対して「聞く耳を持つか」
そして、
音楽に対してどれだけ楽しめて、好奇心・向上心があるか!に掛かってくると。
by28号 at2013-09-12 22:31
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やる以上、格好だけのレコード再生で終わってほしくないんです。
こんなものだと決め付けられても困る。
byVOTTA7 at2013-09-12 22:56
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はじめまして
レコードの音はオーディオの進歩の方向性とは違う音なので理解できなかったり、酷い音だと思われても仕方がないことだとおもうし、~70年くらいまでの音楽に興味がない人には本当に無用なものだと思っています。
ネットでいくらスゲーんだぞ!といっても体験した人以外凄さが分からないので溝がうまらないどころか深くなる一方なきがするのもなんだか切ないです。それほど分かり辛い凄さではないと思うんだけどな・・・
byecho at2013-09-12 23:04
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echoさん、はじめまして。
確かに聴きたいソフトが無ければやる意味は無いですね。
ただジャズなんか追求していけばアナログに辿り着く気もするんですよね。
>溝がうまらないどころか深くなる一方なきがするのもなんだか切ないです。
これはほんと悲しいです。
結局は余計なお世話なんですかねー(-_-;
byVOTTA7 at2013-09-12 23:23
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おはようございます。
切ない話ですね~。
若い世代の人はオーディオに興味を持った時点で既にアナログは市場から消えて(細々と残ってはいたけれど)いたので、分からないのは仕方のないことでしょう。
又それを聴いたとして理解することの出来る感性がなければ意味のないことですので後は若い世代の方でもやる気があればやる、と言うことで流れに任せるしかないでしょうね。
私はソフトの関係で二刀流で楽しんでいますが、同じ音源を基にしたモノがLP、CDであればやはりLPに一日の長ありは否めない事実です(我が家のシステムでの判断です)。
とは言っても今からアナログに入るのは敷居が高いことは事実なので中途半端になるよりは自分のやりたいことに特化して楽しむことで良いのではないでしょうか。
問題提起して頂いたことに敬意を表します。
byEVA at2013-09-13 06:10
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VOTTA7さん おはようございます。
おっしゃることいちいちごもっとも。私も同じように感じています。
「アナログはしきいが高い」
機器購入の投資ばかりでなく使いこなしのスキルや知識が必要ですし、何よりソフトのストックがなければなりません。とういうことは、そういうアナログソフトへの探求心と愛情がなければなかなか入っていけませんね。
「アナログ礼賛ははた迷惑」
しきいが高いアナログを礼賛するのは、はたから見れば単なる自慢にとどまらずつい度を超してしまいがち。明らかにS/Nも悪く、ナローレンジのアナログが「デジタルよりもゼッタイ良い」との主張はどこか議論が乱暴です。アナログの楽しみを強調するうえで何もデジタルをこきおろすことはないと思います。駆動方式の違いを強調したり、いわば骨董品の希少価値を自慢するというのもかえってせっかくのアナログへの関心が冷えてしまいます。
やはり再生というのは、すべからく「感性を鍛えるもの」だと私も思います。
メーカーも、EQ一体型のコンサイスなプレーヤーや、セッティング上の神経質さがなく取り扱いやすいもの、DD式とかリニアトラッキングなど21世紀のハイテクを盛り込んだエントリー機を投入してほしいです。アナログであれば例えエントリー向けであっても30万円~50万円の価格帯でもよいと思います。
なお、些末なことで恐縮ですが、「ストレートアーム」というのは「シェル一体型アーム」のことではないでしょうか。ご趣旨からすると「ストレート」か「S字、J字アーム」かというお話しではないように思います。
byベルウッド at2013-09-13 09:30
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音から映像まですべてディジタル化してしまいました。
結果アナログ時代にくらべ音も映像も一聴、一見「クリア」
に思えますが、失われたことがあります。
それは階調です。加わったことはいわゆるHARSHNESS(どぎつさとでもいうのでしょうか)。例今の液晶TVと昔のソニー・プロフィールの色調を比べてみることです。音もしかりAD-DA変換で
なにが行われているか考えるとぞっとしますね。
以上極論です。
bymonky at2013-09-13 12:50
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EVAさん、こんばんは。
ゼロから始めるのは確かに敷居が高いですが、個人的には親戚や知人が使っていた物を託されればいいなと思っています。
もっとも聴きたいソフトが無ければ仕方ないですが(^^;
25年前の高級なCDプレーヤーもピックアップが無くなればゴミになってしまいますが、50年前のアナログプレーヤーはカートリッジを換えれば甦ります。
全ての人に勧められるものではないですが、設置環境があり興味のある人に是非アナログを継承してもらいたいですね。
byVOTTA7 at2013-09-13 21:43
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ベルウッドさん、こんばんは。
私の年代では既に終わっていましたがSPからLPへの移行、モノラルからステレオへの移行の時も同じようなことがあったのではないかと思います。
蓄音機の音のイメージ。普通の人で良いと思っている人は少ないですよね。
でも調整されたSPを聴くと電気仕掛けでは絶対出せない音がある。
残念ながら蓄音機には巡り合うことは出来ませんでしたがLPをSPと同じ運命にしたくない。
自分には伊藤喜多男氏の言葉が染込んでいるようです(笑)
『以前の物を不完全の儘に放置して、新規のものと比較して云々するほど横着なことはない。
新しい方式のものが出ればその瞬間に従来からある方式を未熟なものと蔑み見向きもしないのが当世である。
そんな物に未練を残して居ては新しい技術に付いて行けないという単純明快な営利の目的の、よく云えば積極的な行動を余儀なくさせられるのである。
この世智辛い現代の目まぐるしい変化に対応して行くためには致し方のないことと重々察してはいるが、俺は俺なりの考えでと立ち止まって、熟視し観察して懐古趣味なんて粋がらず、本当の価値を再認識して見ては如何かと思う。』
確かにSME3009Ⅲなんかは形状はユニバーサルだけどシェル一体型アームですね(^^;
失礼しました。
byVOTTA7 at2013-09-13 22:12
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monkyさん、こんばんは。
私も昔ソニーの3管のプロジェクターを使っていました。
究極は今も3管だと思っていますがコストと重量で消えてしまいましたね。
AVは拘っても流れが速すぎて趣味として成り立たなくなって来ていると思います。
byVOTTA7 at2013-09-13 22:21
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そこまで敷居たかいですかね?
気泡菅もデジタルスケールもAmazonで安く買えます。プレーヤーやアームを完璧に水平にしても、聞くジャンルによりますが盤自体が完全にまっすぐではないものが多い為、あまり神経質にならずとも良い気がします。
便利さ手間のかから無さはデジタルには完敗だけど、このコミュニティの方々の日記を拝見すれば皆さんデジタル環境でも色々試行錯誤してるようで、オーディオを趣味にする方々にとってアナログの手間ってそれ程たいした事でも無いように思えます。
byecho at2013-09-13 22:40
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レコード再生はその都度手間を楽しんでいるんですよ。
それに聴き甲斐を感じる(笑)
byVOTTA7 at2013-09-13 22:56
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ベルウッドさん
CDの登場によってセッティングがしやすくなるり音質向上の恩恵は十分受けているのは承知してます。
ただ20年前デジタルはアナログをこき下ろすデジタル礼賛のステマを展開して異常なほど急速にシェアを上げました。
売るほうもコンパクトなCDのが売りやすくレコード屋からレコード棚がどんどん無くなる寂しい思いをしました。
それがあるからデジタルに対して辛口な意見が出てしまうかもしれません(^^;
CDが売れなくなり今またアナログブームなどとステマを展開しようとしている傾向があります。
でももう当時のようなアナログプレーヤーは作れないと思います。
今は過去の遺産をどう継承していくかだと思っています。
byVOTTA7 at2013-09-13 23:53
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