レスリングの2020年東京五輪での競技存続が決まったことを受け、大相撲の大関琴欧洲(30=佐渡ヶ嶽)が本紙の単独インタビューに応じた。角界入りする前はレスリングの欧州ジュニア王者にも輝いたほどの実力者。今でも母国ブルガリアをはじめ、欧州のレスリング事情に精通している。五輪存続の感想や階級変更の課題、自身の「レスリング復帰」について“レスラー大関”が緊急激白した。
――レスリングが五輪競技で存続することが決まった
琴欧洲:うん。ホントに、良かった。
――今年2月に五輪の中核競技から外された直後には激怒していたが
琴欧洲:テコンドーを(五輪競技に)残してレスリングをなくすなんて、どうするの? 草の上のホッケー(フィールドホッケー)って、五輪のスポーツかよって。ホッケーって冬のスポーツ(アイスホッケー)でしょ! 意味が分かんない!!
――はあ…。ところで、そのレスリングは男女ともに6階級(男子7↓6、女子4↓6)に変更されることになった
琴欧洲:(新階級の案では)女子は48キロから72キロまでなの? すごく幅が狭いよね。それに(各階級の)間が4、5キロくらいずつしかないじゃん。もっと上も下も広げたほうがいいと思う。あと、男子は無差別級があったほうがいい。そのほうが面白いよ。
――大関も体重制限で五輪の夢を断念。角界入りした
琴欧洲:ヨーロッパには「無差別級があればやりたい」と思っている人は、今でもいっぱいいるよ。またやる人が増えてくる。(無差別級の予備軍が多いのは)ロシア、ノルウェー。それに、スウェーデンとかもすごいよ。
――もし無差別級が導入されたら、レスリングへの復帰はあるか。2020年は日本に帰化して五輪に出てくれないか
琴欧洲:勘弁してよ(苦笑い)。代表になったとしても、五輪に出るだけじゃ、意味ないじゃん。(年齢や技術的に)もうメダルは厳しいと思う。3位決定戦で負けるくらいならいいけど、そこまでいける力がないと…。
――そこは元欧州ジュニア王者としてのプライドがある
琴欧洲:ベスト4くらいの力なら、やる価値がある。でも、1回戦で負けるくらいなら出ても恥をかくだけ。(五輪の舞台は)その場に立っているだけじゃなくて、試合に出る皆がプライドをかけて戦うものだから。
――東京での五輪開催が決まったことについては
琴欧洲:今まで(五輪を生で)見たことがないから、東京に決まったときはうれしかった。好きな競技を電車で1時間で見に行ける(笑い)。
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