阪神は12日の中日戦(甲子園)に2―5で敗れて、4連敗。これで5カード連続負け越しのていたらくだ。そんなムードを変えるべく、チーム内でこんな期待の声が出ている。次カードの敵地・神宮球場でのヤクルト戦で“55発男”のウラディミール・バレンティン外野手(29)が虎のスーパールーキー・藤浪晋太郎投手(19)のさらなる秘めた力を引き出すはず、というのだ。
藤浪の神宮登板は今回のヤクルト3連戦2戦目の14日に予定されている。「(ここまで0勝2敗と)勝てていない球場なので、しっかり投げられればいい」と意気込んだが、注目は“55発男”バレンティンとの対決だ。中西投手コーチは「勝負させる。一塁があいていたりしたら敬遠もあるだろうけど」と話した。
バレンティンの日本新記録がかかる中、13日の1戦目先発のスタンリッジは「(バレンティンには)1本も(本塁打を)献上しないでシーズンを終えたい」と力こぶ。虎投手陣がその日を乗り越えれば、翌14日に藤浪が同じ立場でマウンドに上がることになるが、これにチーム内では「大歓迎。スタンは絶対に打たれないで、55本で藤浪に回してほしい」との声が続出している。
その理由はこうだ。「藤浪の秘めた力を引き出すチャンス。今から藤浪は“バレンティンにどうやったら打たれないか”を考え抜いている。そういうことが成長の糧になる。さらに、普段味わえない雰囲気の中で対決になる。普通に野球をしていたらめったに味わえないものを1年目で味わえるからそれもいい経験だ」(あるチームスタッフ)。首脳陣も「(藤浪は)厳しい場面でこそ力を発揮するタイプ。ヒリヒリした場面で使えば、さらなる成長をする」と期待しているのだ。
それだけではない。もちろん、藤浪がバレンティンを抑えて自信を深めるのが理想だが「たとえ打たれても、その悔しさが糧になる。それに大投手というのはみんな記録的な本塁打を打たれるもの。村山(実)さんが長嶋さんに(1959年の)天覧試合で打たれた本塁打とかね」と別の関係者。56号を打たれたとしても“それもまた良し”。藤浪の成長を考えれば、プラスにこそなれマイナスになることはない対決とみているわけだ。
藤浪への“バレンティン効果”。13日に虎投手陣がバレンティンを封じるという条件つきながら、阪神サイドは楽しみにしている。
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