米国株:下落、シリア情勢や量的緩和縮小に注目-資源株安い
9月12日(ブルームバーグ):米株式相場は反落。シリア情勢をめぐる懸念が強まる中で資源株が大きく下げ、S&P500種株価指数は8営業日ぶりに下落した。市場参加者は予想される量的緩和策の縮小に注目している。
バリック・ゴールドが安い。金先物相場が7月以降で最大の下げとなったことが手掛かり。産金で米最大手のニューモント ・マイニングも下落。カナダのヨガウエア販売会社ルルレモン ・アスレティカは、利益見通しの下方修正が嫌気されて下落。一方でウォルト・ディズニーは上昇。最大80億ドル相当の自社株買い実施を発表した。オンラインラジオのパンドラ・メディアは大幅高。同社は、デジタル広告分野で経験豊富なブライアン・マクアンドルース氏を最高経営責任者(CEO)に指名した。
S&P500種 株価指数は前日比0.3%安の1683.42。ダウ工業株30種平均は25.96ドル(0.2%)下げて15300.64ドル。
RBCグローバル・アセット・マネジメントの米株トレーディング責任者、ライアン・ラーソン氏(シカゴ在勤)は「今月これまでの力強い上昇を考えれば、多少の調整があっても驚きはない」と指摘。「向こう数日間は経済指標の発表がそれほど多くないことから、注目されるのはシリア情勢と来週の連邦公開市場委員会(FOMC)だ」と続けた。
S&P500種は今月に入り前日までの時点で3.4%上昇している。
シリア情勢ケリー米国務長官は、シリア反体制派の指導者らに電話をし、米国の軍事攻撃はなお選択肢だと伝えた。ケリー長官はこの日、シリアの化学兵器放棄の提案についてロシア外相と話し合うためジュネーブ入りした。
シリアのアサド大統領は、化学兵器を放棄するための条件として、米国に対して軍事的な挑発と反体制派への武器供与の停止を求めた。
先週の米新規失業保険申請件数 は前週比で減少し、2006年4月以来の低水準となった。2州がコンピューターシステムを更新し、その影響で申請件数が通常より少なくなった。
フェデレーテッド・インベスターズのチーフ株式ストラテジスト、フィリップ・オーランド氏(ニューヨーク在勤)は「レーバーデーの祝日があったほか、コンピューターシステムの問題でデータの有効性に疑問が生じていることから、今回の失業保険申請件数は気に掛けていない」と述べた。
量的緩和縮小ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査では、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入額を現在の月額850億ドルから100億ドル減らし、750億ドルにすると予想(回答した34人の中央値)されている。
USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジスト、ジム・ラッセル氏は「緩和縮小計画をめぐり市場が求める明確な見通しを示すという意味で、金融当局にとって来週は絶好の機会が訪れる」とし、「来週は市場にとって極めて重要になる」と続けた。
バリック・ゴールドは5.5%安の17.61ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比2.4%安と、中心限月としては7月5日以来の大幅下落となった。ニューモントは4.2%下げた。ルルレモンは5.4%安の65.29ドル。
ディズニーは2.4%高の65.49ドル。ダウ平均で値上がり率トップとなった。同社発表によれば、自社株買いは来年から実施する。
パンドラ・メディアは12%高と急伸し、23.97ドル。マクアンドルース氏は会長および社長にも指名された。
原題:U.S. Stocks Fall as Investors Weigh Fed Stimulus Plans,Syria(抜粋)
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更新日時: 2013/09/13 06:48 JST