9月12日の欧州マーケットサマリー:株反落、鉱工業生産が減少
9月12日(ブルームバーグ):欧州の為替・株式・債券・商品相場は次の通り。 (表はロンドン午後6時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3315 1.3311 ドル/円 99.17 99.89 ユーロ/円 132.05 132.97 株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 310.74 -.14 .0% 英FT100 6,588.98 +.55 +.0% 独DAX 8,494.00 -1.73 .0% 仏CAC40 4,106.63 -12.48 -.3% 債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .23% -.03 独国債10年物 2.00% -.05 英国債10年物 2.94% -.06 商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,328.00 -35.75 -2.69% 原油 北海ブレント 112.68 +1.18 +1.06%
◎欧州株:反落、鉱工業生産の減少で-サノフィ、リシュモン安い
12日の欧州株式 相場は反落。前日は約5年ぶり高値で終了した。この日発表されたユーロ圏の鉱工業生産の減少が市場予想よりも激しかったことが嫌気された。
フランスの製薬会社サノフィが2.6%安。糖尿病治療薬の承認を米当局に求める申請を撤回した。高級品メーカーのフィナンシエール・リシュモンは2.3%下落。売上高の伸びがアナリスト予想を下回った。一方で仏メディア企業のビベンディは2.7%の値上がり。メディア事業から仏電話部門を切り離す案の正式検討を始める方針を示したことが好感された。売上高が予想を上回った英小売りのホーム・リテール・グループは5.4%急伸。
ストックス欧州600指数 は前日比0.1%未満下げて310.74。騰落比率は3対4。前日はオバマ米大統領が対シリア攻撃をめぐる決議案の採決を先送りするよう議会に要請したことから、2008年6月以来の高値で終了した。年初来では11%高。
三菱UFJ投信の欧州株式責任者、マイケル・モリス氏(ロンドン在勤)は「欧州が安定化する局面から抜けたかもしれないが、まだまだ課題は残されている」と指摘。「経済状況の改善は全面的ではなく、失業など深刻に懸念される分野が残っている」と続けた。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した7月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比1.5%低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト33人の予想中央値は0.3%低下だった。
この日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落した。
原題:European Stocks Decline From Five-YearHigh on Industrial Data(抜粋)
◎欧州債:伊10年債利回り、スペイン債上回る-英独債は上昇
12日の欧州債市場ではスペイン10年債に対するイタリア債の上乗せ利回りが拡大。ここ1年半での最大となった。同日のイタリア入札では3年物の借り入れコストが昨年10月以来の高さに達した。
イタリア10年債利回りは2カ月ぶり高水準まで約5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に迫った。ベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪をめぐる上院採決で連立政権が揺らぎかねないとの懸念は根強い。この日の入札では2016年と28年にそれぞれ満期を迎える国債計55億ユーロを発行。比較的安全な域内資産を求める動きで、ドイツ10年債のほか、フィンランドとオランダ国債が値上がりした。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の欧州金利ストラテジスト、ノーバート・アウル氏(ロンドン在勤)は「スペイン債に比べてイタリア債のパフォーマンスが著しく劣るのは、イタリア市場の方が流動性が高くても政治面で障害を抱えている状況を反映している」と指摘。「ベルルスコーニ氏の政治生命をめぐり上院で続く議論が注目を集めている」と付け加えた。
ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年債利回りは前日からほぼ変わらずの4.53%。6日には4.58%と、7月4日以来の高さに達した。同国債(表面利率4.5%、2023年5月償還)の価格は100.15。
同年限のスペイン債利回りは2bp下げて4.46%。同国債利回りがイタリア債を下回ったのはこれで3日連続。その利回り格差は2bp開いて6bp。2012年3月2日以来で最大の7bpに達する場面もあった。
イタリア上院のジュゼッペ・クッカ議員によると、上院委員会はベルルスコーニ氏をめぐる採決を18日に実施することを全会一致で決めた。
ドイツ10年債利回りは5bp低下の2%。フィンランド10年債利回りは4bp低下の2.23%。オランダ債利回りも4bp下がって2.37%。
英国債相場は上昇。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁がこの日に議会で、失業率が一段と低下するまでは利上げを実施する計画はないとあらためて説明した。
英中銀が先月導入したフォワードガイダンス(時間軸政策)によれば、失業率が7%に下がるまでは政策金利を引き上げない。前日発表の5-7月失業率は7.7%で、これが7%に下がるのは2016年の遅い時期までないと中銀はみている。
ロンドン時間午後4時29分現在、10年債利回りは6bp低下の2.94%。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.53上げて94.07。
原題:Italy Yield Premium Over Spain Reaches18-Month High; Bunds Gain(抜粋)Gilts Rise as Carney Reiterates BOE Policy;Pound Little Changed(抜粋)
更新日時: 2013/09/13 03:24 JST