冷房なし４０度、１歳娘を１８時間放置死

　さいたま市内のアパートで８月、当時１歳８か月の長女を１８時間にわたって放置し、熱中症による脱水症で死なせたとして、埼玉県警捜査１課などは１２日、保護責任者遺棄致死の疑いで同市西区のアルバイト店員・石塚香織容疑者（２２）を逮捕した。「子供を放置したことは間違いない」と容疑を認めている。

　逮捕容疑は８月１０日午前１１時ごろから１１日午前５時ごろにかけ、エアコンのない自宅アパート２階に長女・凛愛（りおな）ちゃんを放置し、死なせた疑い。

　熊谷地方気象台によると、さいたま市は８月１０日、最高気温３７・７度で今夏一番の暑さだった。県警は室内が４０度近くなり、凛愛ちゃんが熱中症になったとみている。

　石塚容疑者は凛愛ちゃんと２人暮らし。放置していた約１８時間は「カラオケ店や飲食店で働いていた」と供述している。室内には食事としてパン数個と飲料水も置いていったとし、「ペットボトルのふたを開け、手の届くところに置いた」と話している。凛愛ちゃんの部屋の窓を少し開け、扇風機を回していた。１階にあるエアコンはつけていなかった。

　虐待の形跡はなく、凛愛ちゃんは身長８１センチ、体重８・５キロ。過去に数度、託児所に預けることもあったが、凛愛ちゃんを自宅に残して仕事に出る生活を半年以上続けていたとみられる。交際する３０代の男性に子守を頼むこともあったという。

　１１日午前５時すぎに石塚容疑者が１１９番。救急隊員が駆け付けると、凛愛ちゃんは心肺停止状態だった。石塚容疑者は当初、「一緒に寝ていたが、朝起きたら息をしていなかった」と説明。だが、極度の脱水症状だったことから、県警が育児放棄の疑いがあるとして捜査を進めていた。

　周辺住民らによると、石塚容疑者は大阪府出身。７月に別の場所から引っ越してきたとみられ、ブログには「この家、暑すぎるやん」「滝のように汗は出るし、上（２階）にエアコン買わなあかんかな？　家におるのに熱中症なるかと思うレベルやけども。エアコン買わな」などと書き込んでいた。

　また、凛愛ちゃんが亡くなってから約１週間後にもブログを更新。「娘の凛愛が亡くなりました。１歳８か月というとても短い人生となりました。熱中症。脱水症状という結果でした。まさか自分の娘がこんな事になんなんて思えないし」とつづっていた。

（2013年9月13日06時03分スポーツ報知）