「あまちゃん」で好演、八木亜希子アナが放つ“異彩”
【芸能】
三谷幸喜もクドカンも認めた
ツボを押さえたキャスティングも「あまちゃん」の魅力のひとつだが、ここ最近、断トツで異彩を放っているのがフリーアナウンサーの八木亜希子(48)だ。
ヒロインの親友であるユイ(橋本愛)とヒロシ(小池徹平)の母親役。八木が演じる足立よしえは、岩手県内のテレビ局の女子アナ出身で地元の名士(平泉成)に見初められ、入社2年目で寿退社。専業主婦として何不自由なく生活していたが、ある日突然、蒸発。その後、上野界隈(かいわい)を見知らぬスーツ姿の男と楽しげに歩く姿が目撃される様子が描かれるなど、劇中でなかなかの芸達者ぶりを披露しているのだ。
八木は早大卒業後、88年フジテレビ入社。同期の有賀さつき、河野景子とで「花の88年組」と呼ばれた才色兼備の人気アナだ。
これまでも何本か映画には出演していて、フジ退社後まもなく出演した映画「みんなのいえ」(01年)ではヒロイン役に抜擢され、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
「日本アカデミー賞は国内の映画賞でも本流。同じ年に妻夫木聡や柴咲コウが選ばれていることからも分かるように、俳優としての素質があると評価された証しでしょう」(映画批評家の前田有一氏)
<野際陽子以来のじぇじぇ!?>
同作監督の三谷幸喜氏も「芝居はハッキリ言って下手ですが、それを補って余りあるものを醸し出している」と“新人女優・八木”をベタ褒めしていた。フリー転向後、キャスターとして活躍する女子アナはたくさんいるが、意外にも女優転身組は少ない。カメオ出演で自分自身の役柄として起用されるぐらいのもので、朝ドラ出演を果たしたのは元NHKの野際陽子以来の「じぇじぇ」なのである。
コラムニストの今井舞氏が言う。
「癒やし系アナの走りといわれた八木さんは演技力うんぬんより、素材そのまんまが“武器”。クドカンが描く『あまちゃん』のキャラクターは何か癖のある人物ばかり。良妻賢母だけれど何か腹にイチモツのある足立よしえ役は、彼女本人に下手な野心を感じさせない分、これまた下手な女優がやるよりハマったような気がします」
現在、放送から17週目。8月に入った19週目&20週目に八木の「見せ場」があるというから“天然女優”のお手並みをとくと拝見――。