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再開発の旧万世橋駅を公開
9月12日 14時25分

再開発の旧万世橋駅を公開
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東京のかつてのターミナル駅で、70年前に営業を終了した旧万世橋駅が14日、商業施設としてオープンします。
これを前に12日、内部が公開されました。

およそ100年前に開業した東京・千代田区の旧万世橋駅は、昭和18年に営業を終えましたが、アーチ型の堅ろうなレンガ造りの高架橋にはレールが敷かれ、JR中央線が走るなど、70年たった今もそのまま使われています。
JR東日本は、この高架橋を活用しようと再開発を進め、14日、商業施設としてオープンさせることになり、12日、内部を公開しました。
高架下には、飲食店などが入りますが、開業当時の姿が生かされ、明治から昭和にかけての日本の歴史が体感できるよう工夫されています。
ホームに上がる階段は開業時のままで、床に花こう岩を削り出したものが使われているほか、壁に使われているタイルは当時の最高の技法で張られているということです。
また、昭和10年に新たに造られたホームに続く階段も保存されています。
JR東日本ステーションリテイリングの三井剛社長は「訪れた人に旧万世橋駅を巡る歴史や文化を再発見してもらい、多くの人でにぎわう街になってほしいと思います」と話していました。

駅に残る歴史

旧万世橋駅は、およそ100年前の明治45年に開業しました。
東京駅が開業する2年前で、中央線の始発駅としてにぎわいを見せ、当時駅周辺は銀座と並ぶ繁華街でした。
ホームは高架橋の上に造られ、高架橋を背にするように2階建てのレンガ造りの駅舎が建てられました。
駅舎の設計は、去年秋に復元された東京駅の丸の内駅舎と同じ建築家の辰野金吾が担当し、東京駅の駅舎の原形になったともいわれています。
目の前には神田川が流れ、駅舎の中にあった食堂には、作家の芥川龍之介や菊池寛も訪れたといいます。
しかし東京駅が開業すると、旧万世橋駅は終着駅から途中駅になり、さらに大正12年の関東大震災で駅舎が焼失しました。
2年後、駅舎が再建されますが、近くに秋葉原駅や御茶ノ水駅が新たに開業し、利用者は減っていきました。
そして、ちょうど70年前の昭和18年に営業を終えました。
そのあとも残された高架橋は、アーチ型のレンガ造りで、同じ時期に建設された東京・新橋間の高架橋と、外観や構造が似ています。
ドイツ人技術者が指導に当たったため、アーチとアーチの間の壁面には、ドイツの首都、ベルリンの高架橋にもある「メダリオン」と呼ばれる丸い石の装飾が施されています。
ホームにつながる階段は、今回、駅が営業を終えてから初めて、70年ぶりに広く一般に公開されると言うことです。
ホームは、駅舎が焼失したり営業が終了したりしたあとも、開業時のものがそのまま残されていて、今回、展望デッキや喫茶店として活用されています。
このため、展望デッキや喫茶店のすぐ脇を中央線などの列車が走り抜けます。
また、歴代の駅舎を支えた基礎の一部も保存されました。

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