2020年五輪開催の決まった東京都が、7年後の大会で都民メダリストを量産すべく選手育成体制の強化に着手した。
ターゲットは、高校生から始めてもトップレベルを目指すことができる7競技。ボート、ボクシング、レスリング、ウエートリフティング、自転車、カヌー、アーチェリーで「トップアスリート発掘・育成事業」を今年度から5000万円の予算で行う。都内在住・在学の中学1、2年生を募集し、書類選考と体力テストなどで30人を選ぶ。
「卓球のように幼稚園ぐらいから英才教育をしないと(トップに)上がっていけない競技もあるけれど、中学生や高校生からでも伸びていくものもある。7競技を実際に体験して気に入った競技を見つけ、高校入学後に本格的な指導を受けてもらう」(細井優・東京都スポーツ振興局長)
この事業は別の名称で中学2年生を対象に行われてきたものを、中1にも拡大。これまでに、国体少年女子で優勝(ボート)、全日本女子アマチュア選手権3位(ボクシング)、全国高校選抜2位(自転車)などの実績を残してきた。「ゆくゆくは20年五輪の選手になってくるのでは」(細井氏)と期待は大きい。
20年五輪は開催国のため「全競技の全種目に参加できるので、7年後に向けて選手強化も盛り上がっていく」(東京招致委員会幹部)。普及や資金力で人気スポーツに遅れる7競技にとって、都の事業は助けになる。
文部科学省も来年度予算の概算要求に“20年世代”の育成・強化プロジェクトとして約15億円を新規計上。同省は「スポーツ基本計画」で夏季五輪では金メダル獲得数5位以内を目標と定めている。
「射撃やアーチェリーなどのように、体格の違いの影響を受けにくい競技がターゲット。手先の器用さや集中力が生きる競技で、確実にメダルを取れるようにする」(文科省担当者)
東京五輪は日ごろ目立たない競技にとって、ビッグチャンスだ。
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