宮内庁の風岡典之長官は12日の記者会見で、高円宮妃久子さまの国際オリンピック委員会(IOC)総会出席をめぐって「天皇陛下の憲法上の立場と、それを支える皇族方の活動のあり方をよく整理し、改めて考える必要がある」と述べ、今回の件を機に、皇族の活動についての考え方を宮内庁内部でまとめる方針であることを明らかにした。
風岡長官は当初、久子さまについて「総会には出ず、招致には携わらない」と説明したが、実際は総会の東京招致プレゼンテーション冒頭でスピーチしたことについて「妃殿下は震災の被災地支援へのお礼であいさつしたのであり、招致活動ではない。当初の説明と違う結果になったが、最終判断は現地にゆだねるということでやむを得ない」と容認する考えを示した。
久子さまが多くのIOC委員と会ったことについて「多くの人にお礼のあいさつをするのは自然なこと。だれに会ったかはできるだけ把握するよう努めたが、私的活動なので細かく聞く必要はない」と答えた。