債券は上昇、株安・米債高や5年入札順調-長期金利約2週ぶり低水準
9月12日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。米国債相場の反発や国内株安に加え、きょう実施の5年債入札が順調だったことが買い手掛かりとなった。長期金利は約2週間ぶり低水準を付けた。
東京先物市場で中心限月の12月物は前日比11銭高の143円67銭で始まり、10時過ぎに16銭高の143円72銭まで上昇した。しかし、午後に入ると売りが優勢となり、一時は3銭安の143円53銭まで下落。その後は徐々に持ち直し、結局は4銭高の143円60銭で引けた。
DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、債券相場の堅調さについて「日銀の国債買い入れに加え、20日の国債大量償還と中間決算期末をにらんだ投資家のポートフォリオ構築が影響している」と指摘。ただ、金利水準の低下と、週明け18日に米量的緩和の縮小に関する結果発表を控えていることから、目先の上値追いには限界があるとの見方も示した。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは同横ばいの0.73%で始まり、0.5ベーシスポイント(bp)低い0.725%を中心に推移。その後0.72%と8月30日以来の水準に下げた。5年物の113回債利回りも0.5bp低い0.255%と8月30日以来の低水準を記録。一方、きょう入札された114回債利回りは一時0.27%に上昇し、入札時の平均落札利回り0.263%を上回った。その後は0.26%で推移した。
超長期債も堅調。20年物の145回債利回りは横ばいの1.66%で始まり、午後に1bp低い1.65%に低下。30年物の40回債利回りも横ばいの1.805%で開始後、1bp低い1.795%に下げた。
財務省がこの日実施した表面利率0.3%の5年利付国債(114回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円17銭と事前予想を1銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格との差)は1銭と前回のゼロから拡大。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.30倍と過去最高だった前回の5.51倍から低下した。
大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、5年債入札について、「そこそこ需要があった。利回りが低下していたので需要があるのかと思っていたが、新発債でもあり、先物対比で割安だったことで一定の買い需要があった」と分析した。「9月の国債償還分に伴う買い需要もあり、円債相場は堅調だ」とも言う
11日の米債相場は上昇。米10年国債利回り は前日比5bp低下の2.91%程度。きょうの時間外取引では2.88%まで下げる場面があった。12日の東京株式相場は下落。TOPIX は前日比0.4%安の1184.36。円は対ドルで1ドル=99円台前半に上昇した。
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更新日時: 2013/09/12 16:18 JST