2013年09月12日23時33分
【市況】米株式:史上最高値に近づくなか、ほぼ変わらず
米株式市場
S&P500は史上最高値(1709.67)に近づくなかで、11、12日と買疲れが見られる。先週2日のレイバーデー、先週末にユダヤ教の新年が終わっても出来高の回復は9日から現在までで見られない。
資産購入縮小の行方に関しては、17-18日の連邦公開市場委員会、その後のバーナンキ議長によるプレスカンファレンスが1週間後に迫っている。
債務上限問題に関しては、ルー財務長官が10日午後に、経済とマーケット破壊を妨げる為に債務上限引き上げ必要と述べている。ホワイトハウスのカーニー報道官も、政府機関封鎖を妨げる為に議会の行動を呼びかけているが、関係者によると下院は12日予定だった歳出に関した議決を来週に延期とのこと。ただ、共和党の間では政府機関封鎖になれば国民のコンセンサスは共和党を避難の的にするとの見方が多いもよう。
プーチン大統領は、11日にニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し米国民と議員に直接持論を展開。オバマ大統領による10日夜のスピーチを注意深く聞いていたとし、また米大統領に敬意を表す一方で、「国際連合が国際連盟の道を辿ることを誰も望んでいない」、「国際法は法である」、「アフガン、リビア、イラクと他国による介入は混乱をもたらした」、「オバマ大統領の言う米国の政策がアメリカを例外にするものだということは、動機が何であれエクセプショナリズムは危険」と牽制。両大統領によるブラフが続いている。
個別銘柄では、アパレルのルルレモン・アスレティカ(LULU)とメンズウェアハウス(MW)が揃って冴えない決算を発表。8月から他アパレルでもアバクロンビー&フィッチ(ANF)、アメリカンイーグル(AEO)、エアロポステール(ARO)、またグローサリーのウォルマート(WMT)やターゲット(TGT)、デパートのメイシーズ(M)やコールズ(KSS)など、消費者の購買力を示す企業の業績は冴えないものが続いている。
海外では、ドイツで9月22日に連邦議会選挙が予定されているなかで、ソシエテ・ジェネラルがドイツキリスト教民主同盟 (CDU)とキリスト教社会同盟 (CSU) と自由民主党 (FDP)の連立が選挙を勝つだろう、と予想している。国際エネルギー機関(IEA)はサウジアラビアに関して、8月の原油生産日量が32年来の高水準になっていたことを指摘している。有事の際に備えている、とも捉えられるが、すくなくとも戦略備蓄放出に関した噂・報道の類は現在までで限定的になっている。
S&P 500は0.43安の1688.70前後で推移、ナスダック総合指数2.55ポイント高の3727.56ポイント前後で推移、ダウ平均株価は6.84高の15333.44ドル。(日本時間23時25分時点)。
《KG》
提供:フィスコ