東京電力福島第一原発のタンクから汚染水が漏れた事故で、東電は12日深夜、漏れたタンク近くの井戸で11日に採取した水から、トリチウム(三重水素)が1リットルあたり9万7千ベクレル検出され、ここ数日で急上昇していることを明らかにした。
東電によると、井戸は8月19日に300トンの高濃度汚染水漏れが発覚したタンクから北に約20メートルにある。トリチウムの値は8日に同4200ベクレルだったが、9日に同2万9千ベクレル、10日に同6万4千ベクレルと上昇している。漏れた汚染水に含まれていたトリチウムが井戸に流れ込んでいる可能性がある。
トリチウムは、法で定める放出限度が1リットルあたり6万ベクレル。地下水と同じように動き、自然界にも存在する。生物の体内で濃縮することはないという。