UPDATE 2-NZ中銀が政策金利を据え置き、タカ派色強い声明で通貨が上昇
(内容を追加しました)
[ウェリントン 12日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は12日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを予想通り2.5%に据え置くと発表した。2014年半ばまでには利上げに着手する可能性を示すタカ派色の強い金利見通しが発表され、ニュージーランドドルは4週間ぶり高値に上昇した。
中銀は2014年4─6月期の90日物銀行債の金利見通しを3%に引き上げた。その時点までに政策金利が25ベーシスポイント(bp)引き上げられる可能性を示唆している。
前回の声明が示した7─9月期よりも早期の利上げが見込まれていることになる。2014年の引き締めのペースは合わせて3回と、前回の声明での2回の想定よりも加速することを中銀予測は織り込んでいる。
中銀のウィーラー総裁は声明で「来年に(政策金利の)引き上げが必要になってくる」と指摘した一方、年内は金利を据え置く方針を維持した。
「利上げの度合いとタイミングは、住宅市場や建設分野の勢いが全般の需要やインフレ圧力にどの程度影響を及ぼすかによって、大きく左右される」とコメントしている。
中銀は先月、過熱する住宅市場を抑制し、利上げに踏み切るまでの時間を稼ぐために住宅融資融資規制を導入したばかり。このため、声明のタカ派色が強かったことは、エコノミストにとっては想定外だったようだ。
ウィーラー総裁はまた、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小の可能性に言及したことに伴う不透明感から、新興市場で資産売却が加速し、ここ数カ月で世界的に金利が上昇したと指摘。
緩和縮小のプロセスにより、ニュージーランドドルに対する上昇圧力がある程度緩和されるかもしれないと付け加えた。
ロイターがまとめた調査では、アナリスト16人全員が据え置きを予想していた。利上げ時期については、2人が今年第4・四半期、残り14人が2014年第1・四半期との見方を示していた。
中銀はこれまでに、消費支出が拡大し、地震に見舞われたクライストチャーチの復興に弾みがつくなど国内経済が上向いているとの認識を示してきた。一方、住宅価格の上昇、インフレおよび金融安定へのリスクについて懸念を示してきた。
また、ニュージーランド(NZ)ドル高が経済の再調整を困難にしつつあると警告してきた。
12日の政策決定前、金融市場が織り込んでいた25ベーシスポイント(bp)の金利変更の確率はゼロだった。
向こう12カ月間については、89bpの利上げが織り込まれている。
© Thomson Reuters 2013 All rights reserved.
マインド悪化への不安消えず
市場は消費増税を織り込み済みだが、デフレ脱却に重要な消費マインドの悪化を懸念する声も消えていない。 記事の全文