NZ中銀:2014年の利上げ示唆-政策金利2.5%に据え置き
9月12日(ブルームバーグ):ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は12日、同国経済が強くなり、インフレが加速する中で、来年政策金利を引き上げる見通しであることを明らかにした。中銀の声明を受けてNZドルは上昇した。
NZ中銀は同日の会合では政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レート を過去最低の2.5%に据え置いた。
NZ中銀のウィーラー総裁は声明で、「来年利上げが必要になる可能性が強いだろう」と述べた。その一方で、住宅融資規制は導入されない場合に比べて金利の上昇を抑えるとし、「2013年中はオフィシャル・キャッシュレートを据え置く見込みだ」と指摘した。
NZでは住宅市場の過熱や成長加速で物価上昇圧力が強まり始めてており、先進国で最初に利上げする国の1つになりそうだ。それまでに住宅融資規制で不動産需要が抑制され、NZドルの上昇を回避するためできるだけ長期にわたって政策金利を据え置く余地が生まれると、ウィーラー総裁は予想している。
キャピタル・エコノミクスのアジア担当エコノミスト、ダニエル・マーティン氏は調査リポートで「利上げは14年になる公算が大きいが、積極的なものではないだろう」予想。「中銀にとって最大の関心事は住宅市場だ」と述べた。
NZドルはこの3カ月に2.7%上昇。ブルームバーグがまとめる主要16通貨の中でウォンに続く2番目の好成績となっている。ウェリントン時間午前9時8分(日本時間同6時8分)現在、NZドルは0.5%高の1NZドル=0.8122米ドル。
豪ドルの水準ウィーラー総裁はこの日、「為替レートは引き続き高い」と述べた。8月20日の講演では過大評価されていると語っており、発言を修正した。
ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では15人中13人が来年3月末までの利上げを見込んでいる。この日の利上げを予想していた人はいなかった。
ブルームバーグが11日遅くにまとめたスワップ取引データによると、3月までの利上げ確率92%が織り込まれている。年内の政策金利据え置きの確率は89%。
ウィーラー総裁は「利上げの幅と時期は住宅市場や建設部門の勢いがより広範な需要やインフレ圧力に波及する程度に大きく左右される」と述べた。
原題:RBNZ Signals 2014 Interest Rate Rise as Inflation Picks Up(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ウェリントン Tracy Withers twithers@bloomberg.net
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更新日時: 2013/09/12 07:36 JST