12月7日放送  御酒殿(みさかどの)

12月1日、神宮の「御酒殿(みさかどの)」で
『御酒殿祭(みさかどのさい)』が執り行われました。

御酒殿祭は、神様にお供えする「お酒」が、うるわしく醸造できるよう、
また、あわせて全国の酒造業の繁栄をお祈りするお祭で、
毎年、6月、10月、12月の1日に行われています。

「御酒殿」は内宮と外宮それぞれにあり、
御祭神は御酒殿神(みさかどののかみ)で、
この御酒殿では昔、お神酒を醸造していました。

内宮では神楽殿の東側、五丈殿(ごじょうでん)後方に鎮座し、
外宮では、表参道からご正殿を参拝すると、その裏手にあります。

神事では、古事に習い、お酒の原料となる糀が奉納され、
今年も良い醸造であることを祈願します。

その後、神宮神田で収穫され、保管されていたお米を厳選し、
この日から10日間かけ
忌火屋殿(いみびやでん=神様へのお供え物を調理する場所)で    
醸造されます。


神宮で造られるのは
白酒(しろき)いわゆる”どぶろく”と、
黒酒(くろき)という、どぶろくに灰を混ぜ黒くしたもの、
醴酒(れいしゅ=固めのお粥のようなお酒)の三種類。
御酒殿祭では、これに清酒を加えた4種類のお神酒を
御酒殿に納め、

そしてそのあと、それぞれのお祭りにお供えします。

自然の恵みを受け育てた米が、また、自然の力を受け酒に変化し、
それは、人々を喜ばせます。

御酒殿は、静かに森の中に佇み、耳をすませば、
神様の、「良い酒を造るぞ」と言う声が聞こえてきそうです。

2013年04月04日 17:14:48

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