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【モータースポーツ】

<ギョロ目でチェック>完全な「モンツァ仕様」投入したトップ3 第12戦イタリアGP編

2013年9月11日 11時59分

【1】資金力の豊富なレッドブルは完全なモンツァ仕様の空力パッケージを投入(カメラ=尾張正博)

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 今年のF1全19戦中、平均速度が最も高いイタリアGPで速く走るには、直線でいかに空気抵抗を減らすかが重要となり、モンツァだけの特別な空力パーツが必要となる。ただし、たった1戦のためにパーツを開発するのは、時間的にも物理的にも相当な労力がかかる。そのため資金力の豊富なレッドブル(写真1)、フェラーリ、マクラーレンのトップチームだけが、完全なモンツァ仕様の空力パッケージを投入してきた。

 高速モンツァでは、もうひとつ重要な要素がある。それはブレーキング時の安定性だ。可能な限り空気抵抗を減らしているため、通常よりダウンフォース(押さえつける力)が少ないからだ。その問題を解決するため、ロータスは前輪と後輪の距離を長くしたロングホイールベースの車体を1台投入し、タイトル争いを演じているK・ライコネンに与えた(写真2)。これでブレーキング時の車体の姿勢変化が相対的に小さくなり、ダウンフォースが安定的に得られるメリットがあるからだ。

【2】上は通常のホイールベースのグロジャン車で、下が金曜にライコネンが使用したロングホイールベース車。サスペンションの角度を変えて、フロントタイヤが数センチ前に出ているのが分かる(カメラ=尾張正博)

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 しかし、「金曜のフリー走行で信頼性に問題があることが判明。原因は単純なものだったが、それを改良するパーツがなかったためレースへの投入を見送った」(M・スレード=ライコネン担当レースエンジニア)。結局、11番手からスタートしたライコネンは、1コーナーでS・ペレスが急な進路変更を行うという不運もあって、追突。ハードタイヤでスタートしたメリットを生かすことができず11位に終わり2戦連続の無得点、首位S・ベッテルとの差も88ポイントに広がって、タイトル争いから大きく後退した。

 ランキング3位のL・ハミルトンもパンクに見舞われて9位に終わり、事実上タイトル争いから脱落した。一方、ランキング2位のF・アロンソはレース序盤にM・ウェーバーを抜く時に接触し、タイヤに切り傷(写真3)が入ったもののパンクに至る致命傷にならず2位でフィニッシュ。逆転チャンピオンに望みをつないだ。(尾張正博=F1マルチジャーナリスト)

【3】アロンソはウェーバーを抜く時に接触しタイヤに切り傷が入ったものの2位でフィニッシュ(カメラ=尾張正博)

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