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消費増税―法律通り実施すべきだ

消費税の税率を法律通り、今の5%を来年4月から8%に、15年10月に10%へ引き上げるかどうか。「デフレ脱却の機会をつぶしかねない」という反対論も強かったが、最新の経済[記事全文]

宮崎監督引退―「ぼくは自由」の爽快さ

衝撃的な引退会見なのに、あれほど晴れやかだったのはなぜだろう。アニメーション監督の宮崎駿さん(72)が、長編アニメからの引退を表明した。すでに十分[記事全文]

消費増税―法律通り実施すべきだ

 消費税の税率を法律通り、今の5%を来年4月から8%に、15年10月に10%へ引き上げるかどうか。

 「デフレ脱却の機会をつぶしかねない」という反対論も強かったが、最新の経済指標は環境が整ったことを示している。

 安倍首相は、ぶれずに予定通りの実施を決断すべきだ。

 今年4〜6月期の経済成長率の改定値は、物価変動の影響を除いて年率3・8%と、1カ月前の速報値から1・2ポイント上方修正された。堅調な個人消費に加え、企業の設備投資が1年半ぶりにプラスとなるなど、バランスがとれてきた。

 東京五輪の開催決定も追い風となりそうだ。日本への関心の高まりをとらえれば、観光業などでも恩恵が期待できる。

 消費増税時には、駆け込み需要に伴う反動減などで経済の落ち込みは避けられない。ポイントは、短期間でプラス成長に戻れるかどうかだ。

 引き合いに出されるのが、税率を3%から5%に上げた97年度以降の悪化である。消費増税以外にも所得税の特別減税打ち切りなどで負担増が9兆円に及び、長期デフレの引き金を引いたと批判される。

 ただ、この時も消費増税から3カ月たった97年7〜9月期には個人消費、経済成長率とも前期比プラスに転じていた。10〜12月期にわずかながらマイナスに逆戻りし、その後一気に落ち込んだのは、97年末の金融危機の影響が大きかったと考えるのが自然だろう。

 国の財政は当時から大きく悪化し、借金は1千兆円を超えた。税収に匹敵する国債を毎年新たに発行しており、将来世代へのツケ回しが続く。

 財政の先行き懸念から国債価格が急落(利回りが急騰)すれば、経済の再生はおぼつかない。増税を先送りした場合のリスクは大きい。

 消費増税には、現役世代に偏った社会保障の負担を広く分かち合い、子育て世代への支援を強める狙いもある。社会保障の安定、世代間の公平に向けた重要な一歩だ。

 むろん、消費増税の負担は軽くない。デフレの影響で日本経済自体が97年当時より縮んでいるなか、税率3%分の負担増は8兆円に及ぶ。

 企業の収益改善を雇用や賃上げにつなげていく手立てや、増税の負担が特に大きい低所得者への対策をしっかりと講じる。安易な公共事業のばらまきは行わない。

 政府がやるべきことは、はっきりしている。

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宮崎監督引退―「ぼくは自由」の爽快さ

 衝撃的な引退会見なのに、あれほど晴れやかだったのはなぜだろう。

 アニメーション監督の宮崎駿さん(72)が、長編アニメからの引退を表明した。

 すでに十分すぎるほど実績は積み上げている。01年に公開された「千と千尋の神隠し」は、日本映画史上、現在に至るまで最高の興行成績を収めた。

 翌年のベルリン国際映画祭では金熊賞を獲得。世界三大映画祭(他にカンヌ、ベネチア)で最高賞に輝いた長編アニメは、いまだに「千と千尋」だけだ。

 アニメ監督としての世界的な地位はゆるぎなく、日本のアニメ界全体の評価も高めた。

 「公式引退の辞」では、「あと10年は仕事をしたいと考えています」と書き、「ぼくは自由です」という一節を残した。

 アニメから離れた後も、残る時間を新たな自己発見に注ごうとする姿勢が、この高齢社会に爽やかに響いたに違いない。

 「10年」は、公開中の監督作「風立ちぬ」では、「創造性」と深くつながっている。

 狂言回し役のイタリア人カプローニ(初期の飛行機設計家)は、主人公堀越二郎に「創造的人生の持ち時間は10年だ」「君の10年を力を尽くして生きなさい」と語る。

 これを、宮崎監督にそのままお返ししたい。「あと10年」は長編アニメ以外でも「創造的人生」となりうるはずだ。

 視覚的な快感にあふれた宮崎アニメの新作がもう見られないのは確かに残念である。

 スピード感のある活劇の中でふわりと空中に浮く登場人物。想像力を極限まで広げた奇っ怪なキャラクター。そして、森や田園などの自然描写は、目を洗われるように美しかった。

 しかし、長編アニメでコストのかさむ手描きにこだわったこともあり、ヒット作の連発には困難が伴う。「それではスタジオがもちません」という「公式引退の辞」から、興行の世界の厳しさがうかがえる。

 商業的制約から解き放たれた宮崎作品の底知れぬスケールはすでに証明されている。「風の谷のナウシカ」の漫画版は、アニメ版とは異質な物語を奔放に展開し、評論家立花隆氏は「いかなるコミック世界も突き抜けた深い作品」と評した。

 アニメの枠を超えて、自らの思想や哲学を縦横無尽にぶつけた作品を期待するファンは世界にあふれていることだろう。

 長い間お疲れさまでした。しばらくのお休みの後に、再び自由な創造の仕事を見せていただけると私たちは信じています。

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