ロッテ−楽天 2回裏無死、鈴木の打球が顔面に当たり、うずくまるレイ(中)=QVCマリンで(佐藤哲紀撮影)
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◇ロッテ9−2楽天
ロッテが本塁打攻勢で3連勝。1回に井口の犠飛で先制し、2回はサブローのソロと細谷の2ランで加点。7回は根元のプロ初の満塁本塁打などで5点を加えた。唐川は7イニング1失点で9勝目。楽天は1分けを挟んだ連勝が4で止まった。
球場の空気が一瞬にして凍った。2回だ。楽天の先発レイが鈴木のライナーを顔面に受けた。右目付近から鮮血がしたたり落ちる。14球で緊急降板。星野監督のプランは早々に崩れた。その後も投手陣は失点を重ね、連勝は4で止まった。
グラウンドに倒れたレイは担架で運び出され、そのまま救急車で千葉市内の病院に搬送された。診断結果は「右頬骨の骨折」。闘将が天を仰ぐ。全治の見通しについては公表されなかったが、「(今季は)もうアカンやろ」。そして、気を取り直すように「もういい。終わったことは」と声を絞り出した。
試合前の昼下がり、星野監督はホテルの高層階から幕張の海を眺めていた。「海が穏やかだな。静かだ」。そうつぶやいた直後、胸騒ぎを覚えたのか、「オレの人生は穏やかじゃない方が多いけどな」と続けた。
不吉な予感は的中。10連戦の初戦で先発が一枚欠けた。「穴埋め」の候補に挙がる川井、永井、塩見らに全幅の信頼を置くことはできない。2位ロッテとの直接対決に敗れマジック18のまま。ペナント争いでの優位は動かないものの、一抹の不安がよぎる完敗だ。(井上学)
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