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【モータースポーツ】【今宮純の目】独走ベッテルが迎えていた3つのピンチ 第12戦イタリアGP編2013年9月11日 8時30分 8日にモンツァで行われたF1第12戦イタリアGP決勝は、セバスチャン・ベッテル(26)=レッドブル=がポールtoウインで今季6勝目、4連覇に向けて大きく前進した。最後はペースを落として余裕十分の勝利だったが、今宮純さんによれば、3つのピンチがあったという。 シリーズの残り7戦でライバルたちが付け入る隙があるのか、レースを振り返ってみよう。 ◇ ◇ ◇ 勝率5割ペース、12戦6勝はこのスポーツでは圧倒的なハイアベレージだ。222点に伸ばしたベッテルはチャンピオンシップ展開で逃げ込み態勢に入った。ランク2位アロンソはモンツァ決戦を意識し奮闘したが5.467秒差の2位、169点で53点引き離された。これは2勝分以上に相当。残りは7戦。アロンソは「自力V」が困難なギャップとなった。 イタリアGP決戦、圧勝に見えたベッテルに全くピンチがなかったわけではない。3つあった。しかし、それを彼とチームが一体になって乗り切ったのがV3王者らしく、あらためて速さだけではない今年の強さを感じさせる。 ピンチの1つは、スタート直後の1コーナー。ベッテルはウェーバーとマッサを抑えようと、雨が上がったばかりの最初のブレーキングで右前輪をコンマ数秒もタイヤロックさせ、白煙を上げた。それによってトレッド表面にフラットスポット(偏摩耗)ができかけたが、振動が発生するほどには至らず1周目を巧妙にカバー。ビッグブレーキング地点では軽めの減速でコーナーに進入、出口加速を重視する走法で2位マッサを1.141秒リードした。 ここで言えるのはマッサでなく相手がアロンソだったらどうだったか。予選5番手の彼はスタートでインからアウト、アウトからセンターへと3度も進路を変えて狙ったが、ヒュルケンベルグしかかわせなかった。やはり3列目からではつらかった。 2つ目のピンチは、アロンソが2位上昇してきてからの20周目以降。ベッテルのペースは1分29秒台、一方アロンソが1分28秒台で食い下がり、一時6.638秒あったリードが5.338秒まで目減りしていった。この状況下、おそらくベッテルにはスタート直後にタイヤロックさせた“後遺症”が出始めたのだと思う(微妙にタイヤがぶれるシーンもあった)。 そこですぐチームは23周にベッテルをピットインさせる。残り30周と長くなるが早めにハードに交換、さらに4位に落ちていたウェーバーも連続でピットに。2秒6と2秒7、この素早いダブル・ピットワークはまさにチームプレー、これでウェーバーはマッサから3位を奪還できた。 最後にチームから飛んだ無線交信、3つ目のピンチは「ギアに問題あり、ショートシフト(早めにギアを上げろ)」だ。ウェーバーにも同じような指示が飛び、加速力が鈍くなった。ラスト前の52周目にベッテルは自己ベストタイムを出しているが、チームメートの症状は少しずつ深刻になっており、薄氷を踏む思いの勝利だった。 モンツァでは過去にも突然のエンジンやギア駆動系などの致命傷トラブルがゴール目前で起きた例がある。このままアロンソを2位にはさんだままで“1−3フィニッシュ”を、絶対指令に応じ最終ラップを約2秒落ちで流したベッテル。 チェッカーを受け安堵(あんど)するピットウオールのA・ニューウェイ(技術部門責任者)とC・ホーナー(チーム代表)の表情が印象的だった。このベッテル今季6勝目、レッドブル・チーム通算40勝目によって彼らはダブルタイトルV4に向けて大きく前進した。これからは勝ちに行くよりも何が何でもゴールすることを最優先、王道を行く彼らはそうできる。 PR情報
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