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オルフェに失踪の恐怖/フォワ賞

エーグル調教場の芝周回コースにはラチがなく、ハロン棒代わりの三角コーンがあるだけ
エーグル調教場の芝周回コースにはラチがなく、ハロン棒代わりの三角コーンがあるだけ

 “失踪危機”を乗り越えられるか? 世界制覇を目指すオルフェーヴル(牡5、池江)が、今週15日の前哨戦フォワ賞(G2、芝2400メートル、ロンシャン)を前に試練を迎える。クリストフ・スミヨン騎手(32)がまたがる12日の追い切りは、昨年は使用していないエーグル調教場の芝周回コースで初めて行う予定。ラチがなく万が一にも落馬すれば行方不明の恐れすらある環境で、まっすぐ走れるかどうかのテストを敢行する。

 「コース」と呼ぶより「野原」に近い。見渡す限りに芝生の緑が広がる。日本と違ってラチなどなく、1ハロンごとに点々と三角コーンが置いてあるだけだ。12日に追い切りを行うエーグル調教場の芝周回コースは、オルフェーヴルにとって試練の場となる。

 逸走の危険性はもちろん、万が一にも落馬すれば失踪する恐れすらある。池江師は「放馬して1週間帰ってこなかった馬もいたみたい。スミヨンを(オルフェーヴルに)グルグル巻きにしておかないと」とジョーク交じりにリスクを挙げた。これまで追い切りを行ってきた芝直線コースは、両側に視界を遮るように生い茂る林がラチ代わりだった。あえてコースを替えるのは、よれる悪癖を出さず鞍上の指示通りに走れるかどうかを確かめるため。前哨戦を前に、本番まで見据えた格好のテストとなる。

 状態は右肩上がりだ。先週4日には帯同馬ブラーニーストーンに顔面を蹴られ、外傷性鼻出血により1週前追い切りを3日後へ延期するアクシデントに見舞われた。調教を1日休む誤算はあったが、7日には力強い動きを披露。トレーナーも「このままいけば、いい状態で本番にもっていけるでしょう」と確信した。追い切りと前哨戦の関門2つをクリアすれば、凱旋門制圧は目前だ。

 [2013年9月10日8時16分 紙面から]

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