Updated: Tokyo  2013/09/11 04:11  |  New York  2013/09/10 15:11  |  London  2013/09/10 20:11
 

債券は続伸、需給良好で投資家の現物買い-30年債入札は波乱なく通過

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  9月10日(ブルームバーグ):債券相場は続伸。良好な需給を背景に現物債に投資家からの買いが入り、長期金利は約1週間ぶりの低水準を付けた。きょう実施の30年債入札は波乱なく通過した。

東京先物市場で中心限月の12月物は、朝方に前日比9銭安の143円20銭まで下落したが、すぐに上昇に転じた。午後に入ると上げ幅を拡大し、一時は143円70銭まで上昇。結局は24銭高の143円53銭で引けた。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.755%で開始し、いったんは0.76%まで上昇。その後は水準を切り下げ、午後の取引開始後には0.725%と8月30日以来の低水準を付けた。3時前から0.735%で推移している。

5年物の113回債利回りは1bp低い0.26%。20年物の145回債利回りは2.5bp低い1.655%。一時は1.65%と8月30日以来の低水準を付けた。30年物の39回債利回りは2.5bp低い1.78%に下げた。

三井住友アセットマネジメントの深代潤シニアファンドマネージャーは堅調な債券相場について「中期から超長期まで満遍なく買われるなど、幅広い投資家が動いている様子がうかがえる」と説明。「先週末から米雇用統計発表や五輪開催都市決定、国内総生産(GDP)の発表などイベントがめじろ押し。2020年五輪の東京開催などは債券にネガティブながら、むしろ材料が出そろったことで取引しやすくなった可能性がある」とも話した。

30年債入札

財務省がこの日実施した表面利率1.8%の30年利付債(40回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円80銭と市場予想を5銭下回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は14銭と前回の26銭から縮小した。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.87倍と前回の4.14倍からやや低下した。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、30年債入札について、最低落札価格は予想よりやや弱かったものの、テールは縮小し、応札倍率は低下したがほぼ前回並みだと言い、「高値圏で迎えた割にまあまあだった」と分析。債券相場については、需給の良さを背景に上昇した前日の強い地合いを引き継いでいるとし、「株高にもかかわらず、金利が低下している」と述べた。

きょう入札の新発30年物国債の40回債利回りは、午後3時42分現在で1.805%で取引された。一時は1.80%に低下する場面もあった。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/09/10 16:03 JST

 
 
 
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