5492 (cache) 慰安婦調査のソウル大教授「事実をねじ曲げる仕事じゃない」 - Infoseek ニュース

国際 

文字サイズ: A A A
  • 楽天ソーシャルニュースに投稿する
  • フェイスブックでシェアする
  • mixiでシェアする
  • この記事をはてなブックマークに追加する

Ads

慰安婦調査のソウル大教授「事実をねじ曲げる仕事じゃない」- NEWSポストセブン(2013年9月10日07時00分)

「今までの慰安婦関係の資料は、朝鮮総督府、台湾総督府を含む日本政府が残した資料に限られていた。慰安婦という性格上、公文書に残しづらい点もあり、資料は極度に不足していた。そのため、韓国での慰安婦に関する研究は、新聞や雑誌などに記載された二次資料や関係者の証言などに依存するほかなかった。

 政府の資料は隠蔽された部分もあるだろうし、関係者の証言は補償などの利害関係に絡むから信用できない点もある。その点、この日記は慰安婦問題が世に出る1990年以前のもので改竄されようもない。非常に客観的な歴史的資料といえる」

 日記は第三者に見られることを想定しておらず、慰安婦や慰安所の日々の様子が淡々と綴られていた。個人名は一部伏せ字にしてある。

<鉄道部隊で映画があるといって慰安婦たちが見物に行ってきた>(1943年8月13日)

<保安課営業係に金◯愛の廃業同意書を提出し証明を受け取った>(1944年9月6日)

<帰郷する慰安婦、お○と○子は明日の乗船券を買った。共栄倶楽部(※注1)の慰安婦、尹○重(○子)も明日出発だ>(同4月5日)

<正金銀行(※注2)に行き、送金許可された金◯守の1万1000円を送金してあげた>(同12月4日)

 植民地時代の話になると、“悪魔の日帝”と“被害者の朝鮮”という構図になりがちだが、安教授は「両国共に冷静な分析が必要だ」と語る。

「宗主国にとって植民地政策には『利用』と『開発』の両方の側面があると考えている。開発しなければ負担になるだけ。実際、当時の朝鮮では農民経済が安定し、工業生産力が拡充するなど、様々な分野で近代化を迎えた。それは自主的なものというより、日本の植民地開発によるものが大きい。韓国は植民地時代のすべてを否定すべきではない。

 翻って日本だが、今の安倍政権が歴史認識で批判されるのは、何のために『15年戦争(※注3)』を戦ったのか、それで何を得たのかということを客観的に議論できていないからだ。300万人以上が亡くなった戦争は結局、何一つ日本のためにもなっていないのではないか。

 日記が両国の歴史認識にどれほど影響を与えるかはわからない。研究者としての私の願いは、事実をねじ曲げることなく、事実は事実として問題が解決されること。そういう意味でこの日記は役に立つはずだ」

【※注1】共栄倶楽部/シンガポールにあった慰安婦の名前
【※注2】正金銀行/横浜正金銀行のこと。東京銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)の前身
【※注3】15年戦争/1931年の満州事変から1945年のポツダム宣言受諾による終戦まで、約15年間の日本の紛争、対外戦争をまとめた総称

※週刊ポスト2013年9月20・27日号

前へ 1 2 次へ

この記事に関連するニュース

国際ランキング

  • Infoseek ニュースをTwitterやFacebook、スマートフォンアプリで読もう
  • マンガで時事ネタに強くなる!舞台はとある「桜だもん高校」。教師と生徒の学園コントを通して、今おさえておきたいニュースへの理解を深めることができます
  • Infoseek ニュース 公式Facebook
  • Infoseek ニュース 公式twitter
  • Infoesek ニュース 公式iPhoneアプリ
  • Infoeek ニュースメールマガジン
  • Infoeek ニュース総合トピックスのRSS

5d6
0