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7市町村の除染4月以降も継続
9月10日 18時32分

原発事故を受けて、国が直接除染を行っている福島県内の避難区域のうち、7市町村について、来年3月末までに除染を終えるという目標を達成するのは難しいとして、環境省は来年4月以降も除染を続けることを正式に表明しました。

これは石原環境大臣が10日の閣議後の会見で明らかにしました。
東京電力福島第一原発の周辺にある11市町村の避難区域で、国が直接行っている除染について、環境省は放射線量が極めて高い地域を除いて来年3月末までに終えるとする目標を掲げていました。
しかし、このうち、南相馬市、川俣町、富岡町、浪江町、双葉町、飯舘村、葛尾村の7市町村では作業が大幅に遅れ、目標を達成するのは難しいとして来年4月以降も除染を続けるとしています。
作業が遅れている主な理由について、環境省は住民の同意を得るのに時間がかかっていたり、除染で出た土などを保管する仮置き場の確保が進んでいなかったりしているためだとしています。
一方、除染を終える時期については避難区域の解除など住民が戻る時期に関わることなどから、さらに協議が必要だとして、ほとんどの地域で示しませんでした。
環境省は今後、各自治体などと協議を進めたうえで、年内をめどに新たな計画を策定することにしています。

環境相「見切り発車だった」

石原環境大臣は閣議のあとの会見で、福島県内の7市町村で来年3月末までに除染を終えるという目標を達成できないことについて「目標を決めたときの混乱のなかで、除染の対象範囲や必要な工程が地元の市町村や住民の要望と合うかどうか分からず、見切り発車したということがあったと思う。放射線量も地形も、集落の形態も違うので市町村の状況に応じてスケジュールを地元と相談して作れば、目標が一律ということにはならなかったと思う」と述べました。
そのうえで、年内をめどに策定する新たな除染計画について「市町村の状況に応じて、しっかりと相談してやっていくという形に改めさせていただきたい」と述べました。

専門家「当初の計画甘い」

除染の在り方について研究している産業技術総合研究所の中西準子フェローは、国が直接、除染を行っている福島県内の7市町村の避難区域で当面の目標としていた来年3月末までに除染が終えられないことについて「除染は進んでおらず、工程表は変えざるをえない。中間貯蔵施設の建設に至らないなか、仮置き場の確保が難しいことは想定できたはずで、当初の計画自体が非常に甘かったと感じる」と指摘しました。
そのうえで、避難生活を強いられている住民への影響について「除染が何年で終わるかということは住民が元の場所に戻るかどうかの重要な要因になっていて、避難している人たちの生活設計が大きく違ってくると思う。除染が進まないのであれば、加速させるための方策とあわせて戻らない人たちへの支援策もきちんと示すべきだ」と話していました。

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