7・8月の挨拶:グローバル社会で誰とつながるのか
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7月は今週末から双子の2号3号をイギリスに短期留学(3週間)に出すための準備に追われています。 中学入学直後なので部活や補習や宿題の予定が読めず、6月下旬に決断したので本人達の心の準備はまだまだです。 1号を中2でイギリスに出した時は小6でアメリカで過ごした経験もあったので英語力と社交性のどちらも心配が無かったですが、双子は英会話は中学受験で休んでいるし、性格も1号よりは控え目なので、ショック療法だと思って出すことにしています。 娘1号は帰国直後に受けた TOEIC で 900 点を超えたので海外で仕事をするのに最低限の英語力はありそうですが、場に合わせた話し方や説得力のあるレポート構成など、日本語と同じように表現力を伸ばす必要はあると思います。 日本人に英会話は必要か?私が娘達の英語教育に熱心なのは、最近流行のグローバル化というより、自分が海外で働く可能性があったからです。1号が5才の頃はポスドク先を探してアメリカ横断面接行脚(サンディエゴ→アトランタ→ボストン)とやオーストリア4日間弾丸ツアーといった経験もしています。 現在の職場でも着任直後から退職圧力を受けていたので、8年前にはアメリカで visiting scientist をして現地でポジションを得られるか探っていた頃もあります。 これからもサバティカルで出るかも知れません。そんな時にいつでも連れ出せるように備えているのであって、日本にいる限りは私でさえ年に数回しか英語を話さないので、英会話より読み書きが出来れば良いと思っています。 特に小さい頃からの英会話は「ディズニーの英語システム」を買った割には必要は無いと思っています(教材は面白いし、大人の発音が良くなるのでお勧めですけど)。 自分自身が研究でも必要性が出るまでは勉強しないタイプなので(同業者には勉強好きの人も多いのですが)、英語で何か読みたいと思った時に読み書きを学び、誰かと話したいと思った時に英会話をすれば良いんじゃないでしょうか。 英語が出来たらグローバル化か?グローバル化については、娘1号が心から尊敬している現代社会の先生の体験談がとても参考になります(ご本人のプライバシーに配慮して一部のエピソードを改変しています)。大学生の頃、失恋などのトラブルが重なって自己嫌悪になったその先生は、思い付きでボランティアに応募し、ある児童施設に通い始めました。 他人に感謝されることで自信を取り戻そうとしたそうです。 ところが来るなり「オマエは自分達を見下すためにここに来たんだろう」と本音を言い当てられ、否定したところ「本気を見せろ」という話になり、数日で済ませるはずが施設に通い続けることになりました。 しばらく通えば子供達も懐くと思っていたものの、一部の子供達は先生の身なりや持ち物を「生活の差を見せびらかしている」などと批判し続けました。 駅から施設までは遠いのですが、タクシーを使うと金持ちと言われるので、先生は歩いて通っていました。 ところがある日は雨が激しかったので、先生はタクシーで施設に向かいました。 バレないようにわざとズボンの裾を汚し、少し雨に打たれて「大変だったよ」と施設に入ったところで「タクシーで来ただろう」と見破られました。 驚く先生にその子は「オレは大人の嘘がすぐ分かる」「なぜなら今まで親や周囲の人にたくさん嘘をつかれてきたからだ」「アナタを大切に思ってのことだからとか、すぐに迎えに来るといった嘘はしょっちゅう聞いてきた」と言いました。 先生はその子の経験してきた厳しい生活を全く想像出来ていなかったことに愕然としたそうです。その後も先生は施設に通い続けましたが、子供達とどこまで分かり合えたのか自信が無いと言います。 そして英語特進科の生徒達に「同じ日本語を話す人どうしでも、相手ときちんと向き合うことは難しいのに、英語が話せるくらいで気持ちが通じる訳がない」「君達が身につけるべきことは、まず周囲の人とつながる事、その延長にグローバル化がある」「英語はそのための手段でしかない」と話して下さいました。 グローバル化は足下から娘1号は現代社会の授業が大好きで、彼女が社会学や教育学に興味を持ち、英語力を伸ばしたいと考えた背景には高校での様々な出会いがあったと思います。彼女は高校2年生の時にインフルエンザ騒動で中止と決まった語学研修を復活させるためのアンケートにも「私たちがやるべきことは誰かを批判したり泣くことではなく、学校と協力して打開策を考えることです。国際的なクラスにいる私達だからこそ粘り強く行動し、大変な時を一緒に乗り越えてきたという自信を持ちたいです。」と意見を出しています。 http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/62560463.html 高校のクラスメートとは、秋田から戻る度にクラス会・女子会・お泊まり会と理由を付けて集まっています(どれも同じだと思うけど)。 性格、趣味、進路は多様で、別の場所で出会っていたら友達になれない組合わせだったかも知れないし、この先疎遠になる時もあると思います。 それでも語学研修復活という大きな成果を挙げたことは、事実として残る訳ですね。 グローバル化が国籍や文化や宗教を越えて協調して課題に取り組むことなら、まず課題を見つける能力が必要なのだと思います。 それを自国内で解決出来るならまず目の前の人と協力し、国を越えた問題であっても躊躇せずにコミュニケーションを取る姿勢があれば良いのです。 本当に課題を解決したければ英語やら何らかの方法で話しかけるでしょうし・・「グローバル社会とは、各自が立つ場所が世界の中心である」という国際教養大の新学長の名言の通り、日々の生活をきちんと送ることが意外とグローバル化なのかも知れません。 |