宇野先生の 3/9 の講演概要
宇野先生に記事をご確認戴きましたが、細かいところは聞き間違いがあるかも知れないので、あいんしゅたいんのサイトをご覧になって下さい。 コメントや質問は「福島オフ、盛会でした」の記事にお願いします。 http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/65502727.html 宇野先生講演概要と質問10日のJA福島での講演のために用意したスライドから少し削った内容でお話して下さったようです。A)低線量と高線量の影響は異なる B)今回はわずかに老化や癌化に影響があるかも知れない・・が、それを今から改善することは出来る C)被爆に関する解釈が混乱する原因は物理系と生物系・医学系の感覚の違いによると思う 物理系:放射線など良いことなど無いのだから、大げさに言っておく方が後で罪を問われない 医学系:放射線治療で多くの人の命が救われている 治療には局所的に分割して高線量を照射するが、全身の影響が少なくなるよう配慮されている D)正しいリスクの幅を見積もる必要について、エイズ騒動で実感した E)高線量ではほぼ全員に目に見える害が出るが、200 mSv 以下の線量ではわずかに害が見える人が一部にいるかも・・という程度 それでも害は克服したいし、克服出来る F)急性作用と晩発作用の解説 G)紫外線、宇宙線(放射線)、酸素による障害を克服したのが生物の進化の歴史 H)DNA が受ける放射線の作用の6〜7割は活性酸素によるもので、活性酸素はタバコや化学物質や日々の酸素呼吸でも発生する だから放射線とタバコの影響を同列に論じるのは科学的に妥当である I)活性酸素は殺菌・解毒・抗がん作用・生理活性物質の合成・情報伝達に使われている J)被爆二世の遺伝的影響は認められていない 周産期異常は対照群でも5%は見られるので「福島で奇形のウサギが!」といったニュースは無意味 K)甲状腺がんの機構の説明 日本ではチェルノブイリのような甲状腺ガンは考えにくい L)放射線も環境要因も感染症も免疫機能の低下につながる点は同じ M)活性酸素による疾患は多様であるが、放射線の害を低くするためには、アンチエイジングに使われる抗酸化作用を応用出来る。 N)一本鎖損傷と二本鎖損傷の解説 二本鎖損傷が克服されない時のアポトーシスは普段の発生過程でも使われているシステム O)変異した細胞がすぐに癌化する訳ではない 小児の白血病や甲状腺ガンなど早い癌でも5年くらい、その他の癌は20年くらいかかるので、その間に免疫機能を上げることで延命が期待される 癌化のプロセスは各段階(変異→癌遺伝子活性化→免疫監視機構突破)での抑制機構がある P)癌化の原因の1/3がタバコ、1/3が肥満、2%くらいが放射線や紫外線 Q)免疫力は感染症だけでなく、癌に対抗するためにも必要 免疫は皮膚や粘膜のバリア、液性免疫、細胞性免疫、ナチュラルキラー細胞による攻撃など多様な方法がある ナチュラルキラー細胞は日々出現するがん細胞除去の最前線で働くが、ストレスに弱い、だからストレスは癌リスクを上げる R)精神的な状況と癌リスクには相関があるという疫学調査の紹介 癌患者の生き甲斐療法、笑い、免疫力を高めるイメージコントロールは、免疫力の向上と延命効果が示されている S)宇野先生は自分のインターフェロン産生能力の測定を続けているが、ヘビを見た恐怖を感じた時が個人史の中で一番産生能力が低かった 貧血の時代や更年期も低かった T)がん食事療法、アメリカのデザイナー・フード計画、乳酸菌食の紹介 自然(食品含む)からの被爆の解説 福島の農産物には抗酸化作用が期待される 生活習慣病の予防と同じように考えれば良い U)疑似科学と陰謀説は被害者・猜疑心の強い人・それに乗って恐怖を煽る人の三層構造で作られる 今回はバズビーやECRRなどが煽る人 V)不安やストレスを天秤にかけて避難するかを決めるべき。 W)無知・憶測・不安・パニックが低線量被爆で危険なこと 晩発障害はこれからの生活で変わる 医療の発展に希望を持つことも大事Cは高線量でも健康被害は軽減出来るので、低線量のリスクを過大に見積もる必要は無いというニュアンスだと思います。 Hは「活性酸素を介さない系は何があるか?」という質問があり、二本鎖損傷に関する説明がありました(二本鎖損傷も自然放射線などによって日常的に起きていて、放射線の増加によってわずかに増えるが、全て同じ機構で修復される)。 Sは相棒が「キラーアイテム」と感心していて、ストレスや恐怖は生化学検査でもはっきり分かるほどの免疫低下を起こすという、説得力のあるデータでした。無責任な科学者に恐怖を煽られ続けている福島の人々に安心を届けたいという宇野先生の熱意の源でもあるかも知れません。 Iは「福島の野菜を食べて免疫を上げるメリットと、福島の野菜からセシウムを接種するリスクをどのように判断するのか?」という質問があり、宇野先生が「土壌の放射線レベルと作物の放射線量は相関する傾向があり、土壌のセシウムのごく一部しか作物に移行しないので、線量の低い地域なら心配ない 外国産の農薬の付いている野菜よりはリスクが小さくメリットが大きい」と回答していました。 宇野先生の活動宇野先生は白河市で医師・生物学者・物理学者(測定の知識がある人)・物理学者(除染の知識がある人)の4人で勉強会を続けています。http://jein.jp/blog-einstein/846-blog-91.html |
「時事問題(科学系)」書庫の記事一覧
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2013/6/22(土) 午後 11:35
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2013/4/16(火) 午後 11:29
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2013/4/4(木) 午前 0:36
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2013/1/20(日) 午後 5:52
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2013/1/11(金) 午後 7:38