二〇一三年度の全国学力テストの小学六年(公立)国語Aで静岡県の平均正答率が全国最下位だったことを受け、川勝平太知事は九日の定例会見で「下位の小学校百校の校長名を公表する」と述べた。文部科学省は学校名を公表しないよう都道府県教委などに求めており、今後、議論を呼びそうだ。
川勝知事は全国最下位の結果に「絶望的な気持ちになった。強烈な危機感がある。ひとえに教師の責任だ」と持論を展開。「小学校では校長の存在は大きい。責任の所在を明確にする」と公表する理由を説明した。また「テストの点数だけが人間の尺度ではない。結果の公表は全く問題ない。むしろ隠すことが偏差値教育を助長する」と強調した。
文科省は学校の序列化や過度の競争が生じる可能性があるとして、実施要領で教育委員会に学校名を明らかにした成績公表をしないよう規定している。同省の担当者は校長名の公表に「これまで聞いたことがない」と指摘。「校長名と学校名は一体となっていることが多く、公表は実施要領に抵触する恐れがある」と話した。ただ同省によると公表に関する罰則規定はない。
県教委の安倍徹教育長は「知事の強い危機感の表れで、叱咤(しった)激励と解釈している。県教委としては実施要領に沿って対応するしかない」と話し、公表に慎重な姿勢を示した。
全国学力テストでは、県内小学六年(公立五百十二校)の国語Aの平均正答率は全国を5ポイント下回る57・7%で都道府県別で最下位。国語Bと算数A、Bも全国平均を下回った。
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