東京電力福島第1原発事故を巡り、東京地検は9日、業務上過失致死傷などの容疑で告訴・告発されていた東電の勝俣恒久前会長(73)や清水正孝元社長(69)、菅直人元首相(66)ら42人全員と法人としての東電を不起訴処分とした。大津波は具体的に予想できず、安全対策や事故後の対応に過失はなかったと判断した。告訴・告発した被災者らは処分を不服として、検察審査会に審査を申し立てる。
原発事故を東電幹部らが事前に予見できたかどうかが最大の焦点だった。地検は事故原因を津波による電源喪失と認定。襲来した高さ約11.5~15.5メートルの津波の予見可能性を検討した。
東電は2008年、国の地震調査研究推進本部の予測を基に、最大15.7メートルの津波の可能性があると試算、当時の幹部も把握していた。しかし地検は同本部の予測を「裏付けデータに乏しいと考える専門家もおり、精度が高いと認識されていたとは言い難い」と指摘。今回ほどの地震や津波は具体的に予見できなかったと判断した。
さらに、仮に対策工事をしていても、震災までに完了して事故を防げたかは「疑義が残る」と指摘。勝俣前会長や清水元社長らについて、嫌疑不十分と結論付けた。
菅元首相ら関係閣僚らは原子炉内の圧力を逃すベント(排気)を早期に実施しなかったなどとして、業務上過失傷害のほか、原子炉等規制法違反容疑でも告発された。同地検は「ベント早期実施に向けた応急措置が講じられていた。経産相によるベント実施命令が遅れたとは認められず、首相による現場視察もベント実施に影響を与えなかった」として、両容疑とも嫌疑がないとした。
班目春樹・元原子力安全委員長(65)ら、原発の安全チェックに関わった政府関係者も嫌疑不十分や嫌疑なしとした。
東京電力、勝俣恒久、清水正孝、菅直人
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