「本を読む人」と「本を読まない人」の絶望的な違い

2013/09/10


こんな質問をもらってので書いてみます。


「本を読まない人」は探究心が低い

あんまり比べるのもよくないんですが、本を読まない人は、得てして探究心が低い傾向があります。

たとえば、ぼくはメディア運営が関心領域ですが、やっぱりこの領域に関連する本は積極的に読むことになります。なぜなら、この道を探求していく上で、他の人の考えを知ることは大変に重要だからです。読んでみて「あんま参考にならないな…」と失敗することも多いですが、「うおー、この視点は面白い!」とその日から行動が変わることもあります。

本当に道を究めようと思うのなら、少なくともどこかの段階で、関連する書籍を読みあさるフェーズが訪れます。自分のやっていることが完全に新しいことで、先行する書籍が一冊も存在していない、というのなら別ですが。

探究心が高ければ、黙っていても本を読むことになります。探究心が低ければ、他人の持っている知識に対する欲求も低下します。すなわち、本を読むことも減っていきます。


「本を読まない人」は点と点をつなげない

読書のメリットは、「一見関係がない知識でも、それを自分の中に蓄えておけば、いつか点と点がつながって役に立つ」という点にあります。

スティーブ・ジョブズじゃありませんが、生きていると意外な知識が役に立つ場面が訪れるものです。ぼくは大学時代に現代詩の授業を取っていましたが、物書きをしている今になって、あの当時考え、実践したことが思わず役立っています。

本を読むというのは、自分の中に多種多様な知識のタネを埋め込むようなものです。そのタネの大半は眠ったままかもしれませんが、ふとした化学反応で、一気に果実を生み出すこともあります。

たとえば解剖学者の養老さんは、虫取りが大好きだそうで。虫取りの経験や知識は、想定外の形で人生において役立つ、という期待もあり、昆虫採集に励んでいるとか。素敵な生き方ですね。

僕だって、「なんで、こんな無駄なことをいろいろ考えなきゃいけねぇんだ?」と思うけど(笑)、それはそのことのためじゃなくて、何か別のことのためなんですよね。

虫が好きな理由については「論理的に意味がわからないことがたくさんある(からおもしろい)」という旨を述べている。

養老孟司 – Wikipedia


本を読まない人は、それだけ知識や経験が化学反応をもたらす機会を損失することになります。これ、顕在化されることはありませんが、けっこうもったいないことだと個人的には思います。本をたくさん読むと「あー、あの本に書いてあったこととつながるな、これ!」とひとりで感動を覚える瞬間が増えます。


「本を読まない人」は自分の世界に篭りがち

ある読書家の友人が、「すごいノンフィクションに出会って、『これ面白いよ!』と同僚に勧めたら、タイトルだけ見て『え?こんなの読んで何の役に立つの…?』と怪訝な顔をされて哀しかったんだよね…」という話を漏らしていました。

これはぼくもしばしば経験することで「書籍「謎の独立国家 ソマリランド」が本気で面白い!」と熱く語った際に「で、この本って何の役に立つの?」と一蹴された思い出があります。

別にこんなもの、すぐに役に立つものじゃありません。ソマリランドについて知ったところで、それがゆえに人生が変わることはないでしょう。けれど、そうして「知る必要のない世界を知る」というプロセス自体は、自分の世界を広げていく上で間違いなく重要です。

謎の独立国家ソマリランドはぼくらの「知らない世界」の存在を教えてくれます。ぼくらはそれを知ることによって、世界が多様であることを学びます。日本の常識が一切通用しない世界が存在することを痛感します。そうして、自分の存在が相対化され、オープンな精神を持つことができるようになります

『え?こんなの読んで何の役に立つの…?』というバリアで異世界からの刺激を遮断してしまう人は、結果的に、自分の世界に閉じこもりがちになります。というか「こんなの読んで何の役に立つの?」という問いかけ自体が、まさにそういうクローズドな精神から発せられていますよね。

クローズドな生き方というのは、短期的には救われるかもしれませんが、長期的には苦労多き人生となるでしょう。オープンマインドを持っていれば、「まぁ、世界は広いしなんとでもなるな」という諦めが機能しやすくなります。自分の世界を頑なに守ろうとすることもなくなるでしょう。

補足しておくと、本をたくさん読んだがために、自分の世界に閉じこもる人も多いです。知識が増えれば増えるほど、人間は愚かになっていくものですから、ここら辺は難しいラインですね…。


世界を広げるための選書

というわけで、本を読まない人向けの選書もついでに。以下の本を読むと、自分の世界が広がりますよ。タイトルにビビッと来たものをぜひクリックしてみてください。


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