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露 シリアに化学兵器の国際管理求める
9月10日 5時4分

ロシア外務省は9日、シリア問題に関する緊急の声明を発表し、アメリカなどによる軍事行動を回避するため、シリア政府に対して化学兵器を国際管理下に置き廃棄するよう求めたことを明らかにしました。

ロシアのラブロフ外相は9日、モスクワで、シリア問題に関する緊急の声明を発表しました。
この中でラブロフ外相は「もしシリアの化学兵器を国際管理下に置くことで、攻撃を回避することができるのなら、われわれは直ちにシリア政府と共にその作業に参加する」と述べ、シリア政府に対して化学兵器を国際管理下に置くよう求めたことを明らかにしました。
さらにラブロフ外相は、化学兵器を廃棄すること、OPCW=化学兵器禁止機関に加盟することも要請したということです。
ラブロフ外相は声明に先立ち9日、シリアのムアレム外相とモスクワで会談しており、その際にロシア側の立場を伝えたということで、「シリア側から迅速で前向きな回答を期待している」と述べました。
シリアを巡っては、アサド政権が化学兵器を使用したとして、アメリカ政府が軍事行動の準備を進めています。
ロシア政府としてはアメリカ政府が本格的に動き始める前に、シリア政府への働きかけを強め、軍事行動を回避する狙いがあるとみられます。

シリア外相露の提案受け入れの考え示す

ロシア外務省がシリア政府に対して、化学兵器を国際管理のもとに引き渡し、廃棄することなどを求めたことについて、シリアのムアレム外相は、「提案を歓迎する。シリア政府は国民や治安の安定を重視し、アメリカによる軍事行動を回避するというロシアのリーダーシップを信用している」と述べ、ロシア側の提案を受け入れる考えを示しました。

米「軍事行動の準備続ける」

アメリカ、ホワイトハウスのブリンケン大統領次席補佐官は9日、記者会見で、「ロシアの提案は報道で知った。真剣に検討し、ロシア政府とも協議したい。シリア政府が、化学兵器を国際管理に置いて廃棄することを決定するなら、歓迎したい」と述べました。
ただ、「アサド政権は、これまで化学兵器を持っていることさえ認めてこなかった。アメリカは、今後も圧力をかけ続けなければならない」と述べ、軍事行動の準備を続ける考えを示しました。

国連総長も国際的管理提案へ

シリアで化学兵器が使用されたとされる問題で、国連のパン・ギムン事務総長は、シリアにある化学兵器を国連の安全保障理事会のもとで管理・廃棄することを提案する意向を示し、アメリカなどによるシリアへの軍事行動の回避につながるかどうか、注目されます。
シリアで化学兵器が使用されたとされる問題について、G20サミットで各国首脳と協議した国連のパン・ギムン事務総長は9日、ニューヨークの国連本部で記者会見しました。
この中でパン事務総長は、「国連安保理の下でシリア国内にある化学兵器を安全に管理し廃棄したうえで、シリアに対して化学兵器禁止条約に加盟することを求めたい」と述べ、シリアの化学兵器を国際的に管理・廃棄することを提案する意向を示しました。
また、アメリカ政府が議会に対し、シリアへの軍事行動を承認するよう求めていることについて、パン事務総長は、「現状を打開するには政治的な解決しかなく、シリアの全勢力が参加する国際会議をできるだけ早く開催することが最も重要だ」と述べ、直接的な表現は避けながらも、アメリカに自制を求めました。
シリアの化学兵器を国際社会が管理するという提案はロシア政府も行い、シリア政府が前向きな姿勢を示していることから、アメリカなどによる軍事行動の回避につながるかどうか注目されます。

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