UPDATE 3-中国の8月CPIは前年比+2.6%で伸び横ばい、PPIはマイナス幅縮小
* 8月CPIは前年比2.6%上昇、予想と一致
* 8月PPIは前年比1.6%低下、予想の1.8%低下よりも小幅なマイナスに
* 8月CPIは前月比0.5%上昇、PPIは前月比0.1%上昇 (内容を追加しました。)
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%上昇した。上昇率は市場予想と一致し、7月の2.7%からほとんど変わらなかった。前月比では0.5%の上昇、予想は0.4%上昇だった。
8月の生産者物価指数(PPI)は前年比1.6%低下した。予想は1.8%の低下。7月は2.3%の低下だった。前月比では0.1%上昇した。
PPIは1年6カ月にわたり、前年比マイナスが続いたが、そのマイナス幅は2012年9月の3.6%をピークに徐々に縮小している。
8月の食品価格CPIは前年比4.7%上昇、食品以外は同1.5%上昇した。
CPI伸び率がほぼ横ばいとなり、PPIのマイナス幅も縮小したことは、中国経済の長期的な低迷に歯止めがかかり、勢いを取り戻しつつあることを示している。またインフレ率が落ち着いていることで、米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小開始に伴い何らかのショックが生じた際、中国人民銀行が政策対応する余地が広がったと言えそうだ。
ただ、不動産価格上昇やシャドーバンキング(影の銀行)への懸念が残るなか、中国が大幅な政策転換を行う可能性は低いと見られる。
上海証券のエコノミスト、ジェリー・フー氏は、消費者物価は今後数カ月間、安定的に推移すると予想。「金融政策にはいかなるシフトの兆しも見られない。金融環境はおそらく、量的引き締めと低金利を組み合わせた政策を通じて、引き締められるのではないか」と指摘した。
国家統計局の上級統計担当官であるYu Qiumei氏は声明で「経済安定化のトレンドは、ますます鮮明になっている」との見方を示した。
すでに発表された8月の中国経済指標は総じて明るい内容となっており、中国経済が持ち直しつつあることを示す兆候が広がっている。
8月の貿易統計は、輸出が前年同月比7.2%増と、予想を上回る伸びとなった。また中国国家統計局が発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)は、51.0となり、前月の50.3から上昇した。
ほんの1カ月前には、短期金融市場がひっ迫したこともあり、中国が予想より深刻な景気低迷に陥りつつあるとの懸念が広がっていた。
こうしたなか政策当局は、鉄道投資や公共住宅建設の迅速化や、資金需要のある中小企業支援などの安定化策を矢継ぎ早に打ち出した。
10日発表予定の鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高も、急速な景気減速は免れたとの見方を強める内容になると予想されている。
*〔表〕8月の中国CPI内訳
*〔表〕8月の中国PPI内訳
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