7月の経常収支は6カ月連続黒字、予想上回る額-輸入大幅増
9月9日(ブルームバーグ):日本の経常収支 は6カ月連続の黒字となった。額は予想を上回った。輸出は回復基調にあるものの、円安を背景に天然ガスや原油などの燃料を中心に輸入の伸びが上回り、貿易収支は引き続き赤字。一方で、海外投資からの収益を示す所得収支は黒字が拡大した。
財務省が9日発表した7月の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引を示す経常収支は5773億円の黒字だった。うち貿易収支は9433億円の赤字。赤字額は7月としては比較可能な1985年以降で最大だった。所得収支は証券投資収益の配当金や債券利子などの受け取り増加で、前年同月比24.2%増の1兆7938億円の黒字となり、7月として過去最大の黒字を記録した。
ブルームバーグ・ニュースが集計した経常収支のエコノミスト予想中央値は5077億円の黒字だった。
第一生命経済研究所の星野卓也エコノミストは発表前のリポートで、貿易収支の先行きについて、先進国経済の回復や円安効果により、輸出が緩やかな増加傾向を維持し、赤字は縮小に向かうと指摘。その上で、所得収支の高水準の黒字に下支えされ、「経常収支黒字は緩やかな拡大基調で推移する」と予想していた。
貿易収支の内訳は輸出が前年同月比11.5%増の5兆7073億円、輸入が同21.0%増の6兆6505億円だった。
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更新日時: 2013/09/09 09:54 JST