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最終更新:2013年9月9日(月) 19時24分

汚染水「コントロールされている」 首相発言の波紋

 安倍総理の福島第一原発の汚染水問題に関する発言で波紋も広がっています。

 「状況はコントロールされていると私が保証します。汚染水の影響は原発の港湾内の 0.3平方キロメートルの範囲内で『完全に』ブロックされています」(安倍晋三総理大臣 8日)

 安倍総理はIOC総会のプレゼンテーションの中でこう述べたうえで、「健康問題については、今までも現在も将来も全く問題ない」と強調しました。この発言を現地で聞いた外国人記者は・・・

 「問題は彼らが言うより深刻なのでは」(イタリア人記者)

 地元・福島の漁業関係者らからも疑問の声が上がりました。

 「ウソばっかりついて。だって現に(汚染水)流れてるんだもん」(漁業関係者)

 安倍総理がブロックしていると言及した「0.3平方キロメートル」とは、防波堤の内側の部分です。しかし、この港湾内の海には現在も地下水を通じて汚染水が漏れ続けていて、外の海への流出を完全に防ぐことはできていません。ただ、現時点では、港湾の外の海で放射性物質の濃度の上昇はみられていません。また、港湾の外側の海にもタンクから漏れ出した高濃度の汚染水の一部が流出したとみられるなど、汚染水問題をめぐって、国も東電も完全にはコントロールできていないのが現状です。

 「同じタイミングで(情報)共有して、徹底的に話し合って、根本的な対策をとれるような体制を作らなければならない」(赤羽一嘉経産副大臣)

 こうした中、政府は9日、汚染水対策で東電などとの連携を強化するため、初めての会議を開きました。会議では、リスクや予兆などについて情報を共有し、対策を講じることが確認されました。

 政府がリーダーシップを発揮し、国際社会との約束を果たせるのか・・・今後が問われることになります。(09日17:32)

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