薬
- 薬
病気の治療や予防などを目的に投与されるもの。日本の場合、縄文時代の遺跡から、薬として使われたと見られる草が発見されている。
薬の種類として、医師の処方箋(せん)が無ければ買えない「医療用医薬品」、医師の処方箋が必要とせずにドラッグ・ストアなどで購入できる「一般用医薬品」がある。一般医薬品は、(1)特に安全性の注意が必要な成分を含む「第一類医薬品」(2)薬の副作用で日常の生活に支障が出るほどの健康被害が出る恐れがあるが、第一類でないもの(3)第一類、第二類以外の一般用医薬品――に分けられる。
販売できるのは薬剤師が常駐する薬局などだけ。第二類、第三類は、薬剤師だけでなく、「登録販売者」の資格者でも売ることができる。
【症状】病気によって異なる。
【診療科】病気によって異なる。一般的には内科、小児科など。
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シリーズ
- 処方薬への依存(5)診療科問わず減薬指導
- パンフレットを用いて減薬のコツを説明する高橋さん(東京都新宿区の東京女子医大病院で)
東京女子医大病院(新宿区)は昨年秋、患者向けパンフレット「睡眠薬や抗不安薬を飲んでいる方にご注意いただきたいこと」を作成した。
処方薬依存に注意を促し、減薬法などを示した内容で、診療科を問わず病院全体で配布を始めた。
パンフレットは五つの質問から始まる。各質問中の「薬」は抗不安薬と睡眠薬を指し、これらが複数あてはまる人は処方薬依存症に陥っている恐れがある、と指摘している。
〈1〉薬を2種類以上飲んでいる。
〈2〉薬を6か月以上継続して飲んでいる。
〈3〉薬を飲み忘れた日にひどく眠れず不安であった。
〈4〉薬を手元に持っていないと不安である。
〈5〉薬を飲まないと眠れないのではと不安になる。
これまでに約800冊配り、服薬量が多い約100人には、薬剤師らが減薬のアドバイスを行った。薬剤部副師長の高橋結花さんは「他の医療機関からの紹介患者の中には、『不安になったら飲んで』と言われ、1日5回、6回と抗不安薬を飲む人もいる。依存症のリスクを知らされていない人が目立つ」と言う。
高橋さんらが減薬指導で重視しているのは「焦らないこと」。医師の指示のもと、数か月から年単位で減らすことを勧めている。
「減薬を急に進めて苦しい離脱症状が出ると、途中で挫折する恐れがあります。すると再度の減薬時に不安が募り、ますますやめにくくなる。『リラックス法』や良い睡眠を取るコツを身につけながら、少しずつ減薬することが大切です」と高橋さんは指摘する。
同病院神経精神科医師の稲田健さんも「複数の薬を長く飲み続けてきた患者には『1年後に量を半分にできたらよしとしましょう』とアドバイスしています。不安を感じやすい患者には、それくらい慎重に対応する必要がある」と話す。
だが、同病院のような減薬支援を行う病院は少ない。国立精神・神経医療研究センター病院(東京都小平市)、赤城高原ホスピタル(群馬県渋川市)、埼玉県立精神医療センター(伊奈町)、神奈川県立精神医療センターせりがや病院(横浜市)、肥前精神医療センター(佐賀県吉野ヶ里町)などが処方薬依存症の治療に対応するが、重症患者中心で、受け入れ可能数は限られる。
厚生労働省研究班は今年6月、休薬を見据えた睡眠薬適正使用のための診療指針を公開した。しかし既に依存状態にあり、主治医の理解を得られぬまま不調に苦しむ多くの患者は放置されたままだ。早急な対策が求められる。(佐藤光展)
(2013年8月26日 読売新聞)
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付き合い方
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シリーズ
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