米国株(6日):上昇分を失う、緊迫するシリア情勢を懸念
9月6日(ブルームバーグ):6日の米国株 市場ではS&P500種株価指数が上げ幅をほぼ失った。緊迫するシリア情勢を懸念し、売りが広がった。朝方発表された米雇用統計で雇用者の伸びが市場予想を下回り、米金融当局による緩和策縮小観測は後退した。
ニューヨーク原油先物相場が2年ぶりの高値を付けたことを背景に航空株が下落。マットレス・ファーム・ホールディングは業績見通しを引き下げたことが嫌気され下げた。一方、無線通信・放送塔の運営を手掛けるアメリカン・タワーは4.6%上昇。同社はライバルのグローバル・タワー・パートナーズの親会社を約33億ドルで買収することで合意した。住宅建設のレナーやD.R.ホートンは上昇。債券利回りが低下したことを手がかりに住宅建設株が買われた。
S&P500種 株価指数は前日比1ポイント未満上げて1655.17。ダウ工業株30種平均株価は14.98ドル(0.1%)下げて14922.50ドル。
フィフス・サード・バンコープ(シンシナティ)のチーフ市場ストラテジスト、ジョン・オーガスティン氏は「株式市場は非常に弱気だ」と述べ、「債券市場や中東情勢、経済統計など外部からのあらゆるニュースに市場は素早く反応する」と続けた。
S&P500種は一時0.6%上昇したが、引け前の1時間で上げを失った。衛星テレビのアルアラビーヤは匿名の活動家らの情報として、シリア政府軍がダマスカスをガスで攻撃したと報じた。
ロシアのシリア支援ロシアのプーチン大統領は、シリアに対する軍事攻撃を実施した場合、ロシアはアサド政権への支援を続けると語った。この発言を材料に株価は一時0.9%安となった。
株価はその後、雇用統計を材料に再び上昇し、午前11時までには下げを埋めた。
米労働省の発表によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比16万9000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は18万人増だった。家計調査に基づく失業率は7.3%に低下した。労働年齢人口が増加する一方で労働力人口が減少したため、労働参加率の低下が影響した。
シカゴ連銀のエバンス総裁はインフレと成長が加速するまでは月850億ドルの債券購入の規模を縮小すべきではないとの見解を示した。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定するべきだとの認識を示した。同時に、縮小により金融市場ではボラティリティが高まる可能性があるとも指摘した。同総裁は今年のFOMC会合で大規模金融緩和の継続への反対姿勢を続けている。
ボラティリティが上昇シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は0.5%上昇の15.85。VIX は年初から12%低下した。
S&P500種産業別10指数のうち5指数が低下。選択的消費株や素材株が特に下げた。一方、公益事業株は0.6%上昇し、最も上昇した。
ブルームバーグ米航空株指数は0.9%下落。原油価格の上昇が燃料費を押し上げるとの懸念が広がった。デルタ航空は1.8%下げた。
マットレス・ファームは15%安。第2四半期の既存店売上高が落ち込み、利益予想を引き下げた。
S&P住宅建設株指数 は2%上昇。レナーは2.3%高、D.R.ホートンは1.9%値上がりした。
原題:U.S. Stocks Erase Gains as Syria Concern Overshadows JobsData(抜粋)
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更新日時: 2013/09/07 06:52 JST