Twitterを見ていて、ずーっと話題作は『風立ちぬ』だったんだよ。今も話題ですし、ぼくも話したくてうずうずしてるけど。
でも、ある日を境に話題がガラッと変わったね。『パシフィック・リム』に。
『パシフィック・リム』は、ひたすら「ロボットが怪獣と戦う話」に終始しています。
本日公開「パシフィック・リム」は、怪獣とロボットの特盛ハンバーグカレー(エキサイトレビュー)
こちらの記事を読めばわかりますが、もうすっげえ単純なんですよ。
巨大怪獣好き。巨大ロボ好き。じゃあ合わせましょう。全部入れよう。そりゃ面白いわ。
にしたって人気出過ぎだよ!
『パシフィック・リム』はなぜそんなに話題になっているのか考えてみます。
1・一般人の出番がほとんどない。
「ヒーロー」を描く時に必要なのは、強さだけではありません。
一般人です。
誰かが苦しみ、それを救うことで「ヒーロー」はかっこよくなります。逆に言えば、守られる人がいなかったらヒーローは無職気味。
ところが『パシフィック・リム』に、一般人はほとんどと言っていいほど出てきません。
これ画期的ですよ。
最近だと『スパイダーマン』は本人もMJのような一般人も悩んだり、『ダークナイト』は善悪について敵味方思想を持っていたりしたわけです。
確かに『パシフィック・リム』で、主人公やヒロインにも悩みのシーンはあります。ありますが超短い。
悩んでたら怪獣きちゃうもん。そんなヒマ、与えてもらえないから、とりあえず殴る。
一瞬登場する一般人は、完全にモブです。背景みたいなもんです。
むしろ、香港の街、めっちゃくちゃにぶっ壊してますからね。
街にいた人やばいんじゃないの!?とかって一瞬考えますが、その後思考放棄します。
かっこいいから、よし!
『パシフィック・リム』は一般人を描かないことで、「苦悩」の類をあえて全部切り捨てました。
それを批判する人ももちろんいるでしょう。しかし、今の技術で、人間関係描写を最小にして、すべてのリソースを「ロボかっけー」に回した。
そりゃ見入りますよ。一周して新鮮。
2・善とか悪とかない。
この映画、善悪の判別も単純化しました。
「怪獣=悪」。怪獣が出てきたら殺す。それだけです。単純明快。
そりゃ怪獣だって心はあるでしょうし、共存する道もあるはず。
でも映画の怪獣の原点って「でかい」「怖い」「倒される」の三つがポイントです。
登場する怪獣は本当に恐ろしく大きくて、不気味です。凶悪かどうかって言われると、……そんな凶悪なシーンはばっかりではない気がしないでもないんですが、口開けて襲ってきたら、まあ、ぶん殴るよ。…