三重・朝日の女性遺体:中3女子と断定 強盗殺人「帰る」直後
毎日新聞 2013年08月31日 東京朝刊
朝明中の山路秀勝校長(56)は30日夕、市役所で記者会見し「本当に悔しい。痛恨の極みだ。一日も早く、犯人が逮捕されることを祈る」と唇をかんだ。校長によると、寺輪さんは「素直で明るく友だち思いだった。誰とでも仲良くできた生徒だった」という。寺輪さんは「新体操が好きでやめられない。1週間に1度練習に行くのが楽しみ」と言っていたという。
担任はショックで体調を崩したという。同校は事件について、9月2日の始業式で生徒へ報告する方針。市教委は、同校のスクールカウンセラー派遣者数を増やすことを検討している。
中学2年の時に寺輪さんと同じクラスだった男子生徒(14)は、「花火大会の後に共通の友だちからLINE(ライン)で『博美、知らん?』と連絡があった。大丈夫だろうと思っていたが、ニュースを見てびっくりした」と信じられない様子だ。小学校から同じ学校という男子生徒(15)は「明るくて活発で、小学生のころから新体操を頑張っていた。まさかこんなことになるなんて」と声を落とした。同級生の女子生徒(14)は「真面目に授業を聞き、元気で気さくな子だった。学校の外に友だちが多かった」と話した。
同級生の息子がいる夫婦は「ひどい目に遭わされ、可哀そうだ。早く犯人を捕まえてほしい」と切望した。
四日市市山村町の寺輪さんの自宅は窓のカーテンが閉められ、ひっそりとしていた。午後には、捜査員が家の中に入った。父親は特別捜査本部を通じ「娘を亡くして心を痛めています。周囲の方々にも迷惑になりますので、そっとしておいてください」とのコメントを出した。
近くに住む女性(64)は「可哀そう。早く犯人を捕まえてほしい」と話した。【大野友嘉子、岡正勝、加藤新市】
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◇事件の経緯
25日 8時ごろ 自転車で四日市市の同級生宅へ
13時ごろ 別の友人と大型商業施設で落ち合う
夜 大型商業施設屋上で花火見物
19時15分 四日市花火大会始まる
20時半 花火大会終了
22時半ごろ JR朝日駅に到着後、友人と別れる。
姉にLINEで「帰る」と連絡
22時55分 別の友人の連絡にLINEで応答
23時17分 姉からの電話に出ず
27日19時 家族が捜索願
29日14時半 朝日町の空き地で遺体発見