違法薬物の密貿易や売買に当局は厳しい取り締まりを続けているが、それでもなくならないのは、手口が巧妙化しているから。なかでも捜査陣の頭を悩ませているのが、使用者を断定しにくい新手の偽造口座を使う手口だという。
「詐欺や密売、脱税などで儲けても、困るのがどこにカネを置いておくかということ。そこから足が付いてしまうことも多いから」と語るのは闇社会をよく知る事情通だ。そこで“重宝”されるのが偽造口座だが、下手なモノだとすぐにバレてしまうという。振り込め詐欺集団が最近、直接カネを受け取るケースが増えたのも、これまでの“安価な”偽造口座では、足が付くからだ。
「キャッシュだと多額のカネを簡単に持ち歩けないし、海外渡航をしづらいというデメリットもあるんで、6万~7万円ほどの安い偽造口座を使っていることが多かったようだ。ホームレスやカネに困った若いヤツ、お年寄りに口座を作らせた。足が付かないように、後で通帳を落としたと届けさせ、“そんな口座もう使ってない”とか小細工する連中もいたが、それでもバレやすかった」(前出関係者)
だからといって海外との密売貿易商や違法薬物の密売人は、すべて現金決済というわけにはいかない。そこで使用されるのが、国際キャッシュカードなるものが付いた特殊な偽造口座だという。
「脱税してこれを使っている人もいる。日本でも海外でもすぐにカネを出せるから便利。値段は架空の人物名義の偽造口座だと50万円、実在する人物だと30万円くらい。架空の人物名義の方が、そこから先をたどれないから高いんだ」とは別の裏社会事情通だ。
この種の偽造口座はイラン人や中国人マフィアが作っていることが多く「よっぽど変な使い方をしない限り、バレることはほとんどないから需要が増えている。ルートがありさえすれば、誰でも買える。ただそのルートを見つけるのが普通の人には難しいかも」と同関係者。最近は精巧な偽造カードも出回っているという。もちろん、これを使うのは犯罪だ。
ナイターSG「第59回モーターボート記念」、1日行われた優勝戦は毒島誠(29=群馬)が先マイから早々と独走に持ち込み、SG初制覇を成し遂げた。