4回、巨人・村田に本塁打を浴びた阪神・藤浪=甲子園球場(撮影・白鳥恵)【拡大】
2けた星も挙げた孝行息子に、指揮官は珍しく厳しい言葉を並べる。「動揺や遠慮? それがあったら勝負にならない。(外角)一辺倒で打ち取れるほどプロは甘くない」と突き放した。ゲーム差は「9」。マジックを「14」に減らされ、高い授業料になった。
エースになるなら、まして虎のエースになるなら、巨人との真っ向勝負は避けられない。今季もクライマックスシリーズ(CS)がすぐそこに控える。期待があるからこそ、背信投球は見過ごしてもらえなかった。7回5安打4失点で5敗目(10勝)。新Gキラーとなるはずが、対戦成績も1勝1敗となった。
「研究されている感じは多少ありました。やり返す? そうですね。巨人だけに限らずしっかりいい投球をしたいです」
1試合2被弾はプロで初めて。『神話』は『神話』で終わった。これまで味方だった聖地に、厳しさを教えられた。宿命の一戦での、衝撃的な敗戦。藤浪はもっと強くならなければならない。(長友 孝輔)
データBOX
◎…藤浪は大阪桐蔭高時代を含め、甲子園で公式戦不敗記録が16試合でストップした(14勝1敗、防御率1・55)。高校時代は選抜5試合5勝、防御率1・58、選手権4試合4勝、防御率0・50。プロ入り後は8試合5勝1敗、防御率2・24。
◎…藤浪は7月25日のヤクルト戦(神宮)以来となる被弾でプロ初となる1試合2被弾。ちなみに大阪桐蔭高時代も含めて、甲子園での1試合2被弾も初。
(紙面から)