若手の注目教育家・清水章弘さんの新刊より。
作業と勉強の違い
書中では勉強をする上で知っておきたい様々な習慣、考え方が紹介されています。基本的に受験勉強を控えた子ども向けのテキストですが、TOEICなどの試験を受ける社会人にとっても、十分すぎるほど参考になる作品です。
特にいいなぁ、と思ったのが上で紹介した図。作業と勉強は違う、というわけです。
みなさんのほとんどがしているもの、つまり、「問題を解き、採点をして、終わり!」というのは、勉強ではないのです。それは、「作業」なのです。勉強しているつもりなのです。
作業とは、「できる」ものと「できない」ものを分けることです。これは、勉強するための準備となります。ここで終わりにしてしまっては「できない」ものをほったらかしにすることになってしまうのですね。気をつけなくてはなりません。ここからが勉強の始まりです。
どうでしょうか、これ、受験勉強時代を思い返してみても、意外と理解されていないポイントだと思います。
ぼくは暗記オタクで、全国模試で世界史の偏差値が80くらいあったのですが、そのとき意識していた勉強法は「問題集のなかで、わからない箇所を徹底的になくしていく」というものでした。
120ページくらいある問題集を、最初は3〜4ページずつ解いていきます。で、1ヶ月掛けて一冊を終えます。これはあくまで「仕分け」で、「自分がわからないこと」を明らかにする、まさに「作業」です。
で、2周目はわからなかった問題を中心に解いていきます。1周目よりはスピードがあがるので、毎日10ページくらい行けます。で、2周目を10日ほどで終える。
3周目は、2周目でもわからなかったことを潰していきます。さらにスピードはあがるので、15ページくらいいけたりします。で、3周目、4周目…30周目くらいまでやると、1,000問ほどの問題集ならまるっとすべて暗記できるものです。ぼくはそんな感じで、ひたすら問題集を解きまくって数字を稼いでおりました。
持論ですが、少なくとも世界史においては、暗記勉強ができない人は、このサイクルを回すことができません。だいたい回って2〜3周じゃないでしょうか。それじゃダメなんです、せめて10回は繰り返さないと、暗記なんてできません。徹底的に、一冊のテキストのなかで、わからない箇所をなくしていくのです。
ぼくはTOEICも895点獲得して、それなりの英語勉強オタクでもあったのですが、英単語の学習もこれと同じです。細かいテクニックとしては、英単語の場合は「Core」のような実際のニュース記事などが素材になったテキストを利用すると、学習効率が上がります。これをひたすら回していきましょう。目指せ20〜30周くらいのノリで。
というわけで、試験勉強などに取り組んでいる方は、ぜひ上図を意識して勉強してみてください。ぼく自身、テスト勉強は得意だった方ですが、これは超基礎的な考え方だと勝手に共感します。
その他にも、勉強をする上で知っておきたいノウハウがたくさん詰まっています。サラッと読める内容ですので、ぜひぜひ参考にしてみてください。