◇フジサンケイクラシック<第3日>
▽7日、山梨県・富士桜CC(7437ヤード、パー71)▽曇り、気温21・9度、風速3メートル▽賞金総額1億1000万円、優勝2200万円▽67選手▽観衆3337人
約2カ月ぶりの国内復帰戦で松山英樹(21)=東北福祉大=がいきなり優勝に王手をかけた。首位タイから発進し、5バーディー、ボギーなしでこの日のベストスコアとなる66をマーク。通算11アンダーに伸ばし、2位に4打差をつける独走態勢。勝てばアマチュア時代を含めてツアー通算4勝目となり、賞金王に一歩近づく。2位には片山晋呉(40)、谷原秀人(34)、横尾要(41)=EH=ら5人がつけている。
初日と同じ66をマークした松山の表情は明るかった。「ショットがすごく良くなって、(バーディー)チャンスも多かった。すごくいいラウンドだった」。理由は“ゴルフの内容”の好転だ。
2位に4打差の一人旅状態に、大会のゼネラルプロデューサーでありテレビ中継の解説を務める戸張捷さんは「優勝スコアは10アンダーと思っていた。(それが)“当たらない、調子が悪い、パットが入らない”で11アンダー。オイ、ちょっと待てよ、という感じ。彼は回りに左右されないで集中できる強さを持っている」と話す。
11番で2メートルを沈め、12番パー4はピッチングウエッジで80センチにピタリとつけた。さらに17番パー5では2オン2パット。ほぼ完璧な内容だ。
特筆すべきは集中力。14番ティーインググラウンドで、テレビ機材の音や顔の前に虫が飛んできたことなどで2度アドレスし直したが、「ハッハッハーと笑って打っていく。自分のやるべきことに集中できる。精神状態の持っていき方がほかの選手と違う。たいしたもんだよ」(戸張さん)とベタぼめだ。
ツアー4度目の最終日最終組。過去3回では2勝している。「優勝したい気持ちは強いけど、今週は結果オーライが多いので、明日も結果オーライでいければ」。プレー後もショット、パット調整を最後の一人になるまで行った。 (櫛谷和夫)
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