◇楽天7−5日本ハム
楽天−日本ハム 24歳の誕生日に3安打を放ち、クリームが顔に付いたままファンの声援に応える楽天・岡島(右)島内(右)がクリームをベチャ=Kスタ宮城で(武藤健一撮影)
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楽天が序盤のリードで逃げ切り、貯金を最多の21とした。1回に失策で1点を先取し、2回に嶋の中前打などで2点、3回にマギーの2ランなどで4点を加えた。辛島は7回途中5失点で2勝目。日本ハムは追い上げたが及ばなかった。
一気に畳み掛けた。ペナントレース初制覇に突き進む楽天が、「仙手必勝」で勝負を決めた。先発全員の13安打。星野監督の表情が緩む。「もう誰が打ったのか覚えてないけどね」。3回までに8安打を集中して7点。ケッペルを粉砕した。
主砲の一撃が効いた。3点リードの3回だ。無死一塁。「ゴロだけは打たないように意識していた」というマギーが、内角直球を捉えた。打球は左翼席中段に着弾。常に全力で戦う優良助っ人が勝負を決めた。
胸の奥には、1月の来日直後に訪れた被災地の光景がある。ジョーンズとともに、東日本大震災の被害が甚大だった閖上(ゆりあげ)地区を訪問した。「少しでも貢献したい」。不自由な生活を送る子どもたちの支援を即決した。
震災孤児支援で1本塁打につき5万円の寄付を贈る。7月には宮城県内の病院を訪問した。そして、8日には福祉施設などの児童ら100人を招待する。ポリオ(小児まひ)を患う長男・マケイル君(6)の良き父親でもあり、グラウンドではチームを勝利に導く頼れる主砲でもある。心優しきファイターだ。
マギーの一撃でリードを5点に広げ、この段階で勝負あり。引き分けを挟んでの3連勝で球団最多を更新する貯金21。5日に再点灯させた優勝マジックを2日連続で減らした。それでも、星野監督は気の緩みを戒める。「また、いつ蛍光灯が壊れるか分からん。古いのを使っているからな」。後ろを振り返ることなく、ゴールに突き進む。 (井上学)
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