◇巨人4−1阪神
完璧な一発だった。巨人・村田が藤浪の甲子園不敗神話を打ち砕いた。1点を追う4回無死一塁で、4球目のカットボールをフルスイング。打球は大きな弧を描いて左翼席に飛び込んだ。逆転の23号2ラン。8月4日の初対戦で敗れた右腕への雪辱に成功した。
「追い込まれてからはコンパクトなスイングを意識した。うまくバットで拾えた」と村田。会心の一打を振り返る顔には自然と笑みが浮かぶ。満足なのは原監督も同じ。「すべての意味においてレベルの高い、高級な本塁打」と脱帽の表情だ。
逃げない男の真骨頂をみせた。藤浪の特長は投球時に踏み出した足が軸足よりも三塁側に入り込むクロスステップ。右打者の村田にとってはやっかいな相手。しかも、4回は前の打者の阿部が左膝に死球を受けていた。
しかし、村田はひるまなかった。腰を引くどころか、内角の球に踏み込んでいった。結果は「いい本塁打」と分析する一発。クライマックスシリーズで対戦する可能性がある藤浪に苦手意識を与えることにも成功した。
主砲大活躍で優勝マジックは「14」で7年連続のCS出場も両リーグ一番乗りで決めた。村田の心もヒートアップする。「マジック0になるまで、一生懸命頑張る」。活躍を7、8月で終わらせる気はない。最後まで自らのバットでチームを引っ張っていく。 (川越亮太)
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