韓国経済が泥沼から抜け出せない。主要な取引先である中国や新興国の経済が鈍化するなか、製造業の景況指数は3カ月連続で低調な結果となり、輸出頼みの経済を回復させる材料とはならなかった。朴槿恵(パク・クネ)大統領はこれまで距離を置いていた財閥企業にすり寄って国内経済の活性化を求めるが、もくろみ通りに国内投資が拡大するのか、先行きは不透明だ。
英金融大手HSBCが2日発表した8月の景況感を示す製造業購買担当者景気指数(PMI)は47・5と、3カ月連続で景気判断の分かれ目である50を下回った。
同指数は大幅に悪化した7月の47・2を0・3ポイント上回り、4カ月ぶりの改善となったものの、弱い伸びにとどまっている。
HSBCは発表文の中で、生産関連の指標が総じて低調だったとしたうえで、国内経済の減速や需要の弱さに関連していると指摘した。業種別では、造船や建設業の縮小傾向や、雇用の悪化傾向もみられるという。
HSBCのエコノミストは「韓国経済は引き続き試練を迎えている。新規輸出受注の急減は、韓国の貿易主導の景気回復が遅れることを示唆している」と分析、「政府の支出が年末にかけて減少するとみられることも、経済の下押し圧力となるだろう」とコメントした。
さらに2013年の国内総生産(GDP)成長率見通しも先月に続いて2・4%に据え置いており、7月に2・8%に上方修正した韓国銀行(中央銀行)とのスタンスの違いが目立つ。
その韓国銀行が8月28日に発表した9月の製造業業況見通し指数も78となり、2011年1月に101を記録して以降、景気判断の分かれ目である100を下回り続けている。
韓国経済の厳しい状況が続くなか、朴槿恵大統領は8月末、「10大グループ」と呼ばれるサムスンやLG、現代自動車など主要財閥系企業の会長らを招いて昼食会を開き、積極的な投資や雇用の創出を要請した。